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闘いの意義 改めて問う

2010年04月26日

写真

50年展に向け、準備をするメンバー=伏見区

     三池炭鉱労働争議 終結50年  当事者の子らが企画展

●下京で来月

 三池炭鉱(福岡・熊本県)を舞台にした労働争議の終結(1960年)から50年の節目に、炭鉱作業員の子どもらが中心となり、「三池労働争議50年展」を、5月1日から「ひと・まち交流館京都」(下京区)で開く。当時の写真や新聞記事、ビラ、ヘルメットなど約130点を展示。炭鉱という過酷な労働条件の中で「人間らしく生きる」ことを求めて闘った争議の歴史と意義を問い直す。

 炭鉱作業員を父に持つ滋賀県彦根市の前川俊行さん(57)が、1997年の同炭鉱閉山を機に、「親たちの闘いを無駄にしないために」と、ホームページ(http://www.miike−coalmine.org/)や冊子で、炭鉱や争議に関する資料をまとめる作業を始めた。活動を知った関係者らから資料が送られてくるようになった。

 争議終結から50年を機に、今まで集めた写真や資料を公開しようと、同じく炭鉱で働いた父を持つ伏見区の東川絹子さん(62)、大津市の重田真由美さん(62)に呼びかけて企画した。

 前川さんは「『総資本対総労働』などと言われ、いつの間にか大きな枠組みにはめられていたが、本当は落盤事故などで毎日のように人が死ぬ過酷な労働環境の中で、人間らしく生きることを求めて始まった闘いだと思う」と語る。2008年には自らも勤める工場で「派遣切り」に遭い、「親の闘いが生かされていない」と感じたという。

 争議当時、地域は所属する労働組合の違いで鋭く対立しており、重田さんは「子どもの私でも地域のクリスマス会などに参加させてもらえなかった」と振り返る。東川さんは「私たち子どもの世代なら中立的な立場で争議の意義を問い直し、町の発展にもつなげられる」と語る。

 5月6日まで。無料。5日午後2時からは元組合員で現在は伏見区に住む80代男性との交流会もある。問い合わせ先は東川さん(075・643・0866)。

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