2010.04.14 Web posted at:  16:53  JST Updated - CNN
USA

食肉に有害物質残留の恐れ 米農務省の検査に問題指摘

ワシントン(CNN) 米農務省(USDA)の監察官が、食肉の残留化学物質汚染を防止するための農務省の態勢は不十分だと指摘する調査報告をまとめた。

報告書では、抗生剤や殺虫用途で使われる農薬、重金属など有害化学物質の多くについて、USDAが残留基準を設定していないため、こうした物質が残留した食肉が流通していると指摘した。農薬については1種類しか残留検査が実施されておらず、銅など重金属の一部についても基準が設定されていないという。

メキシコは2008年に、同国の基準を超える銅が検査で見つかったとして、米国からの牛肉輸入を差し止めた経緯がある。しかし米国では基準がないため、そうした肉でも販売されてしまう可能性があると報告書は指摘している。

今回の報告書の焦点となった残留化学物質は、大腸菌やサルモネラ菌などの細菌と違い、加熱してもなくならず、長年の間に体内に蓄積される。また、消費者団体の専門家は、今回調査対象となった化学物質が長期間にわたり体内に蓄積されると、発がん性などの問題も生じるおそれがあると指摘する。

USDAは報告を受け、監査官の勧告に従って「早急に是正措置を取る」と表明した。具体的には残留物質の検査品目を増やしたり、許容摂取量を定めるなどの対応が求められている。

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