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【格闘技】

雑草魂・真壁が新王者

2010年5月4日 紙面から

悲願だったIWGPヘビーのベルトを巻き、ファンの歓声にこたえる真壁刀義=福岡国際センターで

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◇新日本プロレス IWGPヘビー級選手権

▽3日▽福岡国際センター▽観衆6000人

 雑草魂が新日本の歴史に名前を刻んだ。ヒールながらファンから絶大な支持を集める真壁刀義(37)が中邑真輔(30)をキングコング・ニードロップで葬り、4度目の挑戦で悲願のIWGPヘビー級王座を獲得した。13年前の入門時は団体からほとんど期待されず、一時は戦力外通告も受けた。根性で頂点まではい上がった男に、観衆は惜しみない拍手を送った。

 ついにこの日がやってきた。G1クライマックスを制し、IWGPタッグ王座も獲得したが、新日本の金看板であるシングルのIWGPヘビー級王座のベルトだけは巻けなかった真壁。そんな男が、4度目の挑戦で初めて至宝を手に入れた。

 試合中、中邑が左肩を痛めるアクシデント発生。鎖骨の脱臼と見られるが、常に相手をたたきつぶすスタイルが信条の真壁は、容赦なかった。トップロープ最上段からのキングコング・ニードロップをその左肩にさく裂させた。あまりの興奮に、真壁は「3カウントが入った瞬間を覚えていない」という。

 日陰からのし上がろうとする姿に共感するファンが徐々に増え、今では声援の大きさは国内で1、2を争う。いつもはリング上で毒づくが、この日はマイクでファンに「サンキュー」と礼を述べた。

 今後の挑戦者候補には、ノアの王者(杉浦貴)や同期の藤田和之を挙げた。「これからは好き勝手にやらせてもらうよ。新日本は困るだろうな」。IWGPの挑戦者は団体側が選ぶのが通例。だが、憲法記念日に新王者になった真壁は、勝手に新日本の憲法を改正しようとしている。 (大西洋和)

 

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