ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

晴天下突風襲う

6人軽傷事故 テント固定せず

とばされたテントを再度組み立て、当時の状況を調べる山形署員ら(3日午後4時45分、山形市の県陸上競技場で)

 3日午後、山形市の県あかねヶ丘陸上競技場で、突風によりテントが吹き飛び、女子高校生6人が軽傷を負った事故。競技大会は、すがすがしい晴天に恵まれたが、突然の強風が発生した。山形地方気象台は、気温が急上昇した際に発生しやすい「つむじ風」の可能性を指摘し、「荒天でなくても突然の強風はあり得る。常に十分な安全対策を」と注意を呼びかける。

 山形署の発表などによると、テントは、競技大会に出場していた東海大山形高校陸上部(山形市)がトラック外に設置。女子部員8人が競技後にテント前でジョギングをしていたところ、テントが突風で数メートル移動し、6人がテントの鉄柱に接触して転倒するなどした。テントの支柱を固定するなどの措置はとっていなかった。

 日中、山形市の最大瞬間風速は10・9メートル。同気象台によると、池に小さな波が立つ程度の強さという。大会を主催した山形陸上競技協会の安孫子元春理事長は、「多少風が強いと思い、場内放送で注意喚起した。まさか本当に飛ぶとは……」と驚く。

 同校は、テントを重りやクイなどで固定しなかった理由を「鉄製の支柱と骨組みで十分な重量があると考えた」と説明。田宮健・同部顧問は、「結果的に生徒がけがをしてしまって申し訳ない。今後はより万全な対策を施したい」と話した。

 同気象台は、「晴天時、局地的に渦状の強風が発生する『塵(じん)旋風』の可能性がある」と指摘。地表が日光で急に暖まり上空との気温差が広がると起きるとされており、晴天に恵まれて今年初の夏日を記録した山形市の気候は発生条件を満たしていた。同気象台では、「荒天時の竜巻や突風ばかりが注目されるが、晴天時にも突然の強風はある。十分対策を」と呼びかけている。

2010年5月4日  読売新聞)
現在位置は
です