【ワシントン斉藤信宏】航空業界世界4位のユナイテッド航空(UA)の持ち株会社UALと同5位のコンチネンタル航空は3日、合併することで合意したと発表した。両社は「年内には統合手続きを完了する」としており、独占禁止当局の承認を得て合併が実現すれば、最大手のデルタ航空を抜き、世界最大の航空会社が誕生する。
米航空業界は燃料コスト上昇や景気低迷による利用客減などで、大手4社が10年1~3月期にそろって赤字決算となるなど厳しい経営が続いている。08年のデルタ航空とノースウエスト航空に続く大型合併で、さらに業界再編が進む可能性もある。
合併の決まった新会社名は「ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス」とし、運航航空会社は「ユナイテッド航空」の名称を存続させる。本社はUALの本拠地であるイリノイ州シカゴに置き、UALのティルトン会長兼最高経営責任者(CEO)が新会社の会長、コンチネンタルのスミセク会長兼CEOが新会社のCEOに就任する。
合併は株式交換方式を採用し、コンチネンタル株1株に対し、UAL株1・05株を割り当てる。合併費用は30億ドル(約2800億円)規模にのぼる。
ユナイテッドとコンチネンタルは、米国内の路線での重複が少なく、国際線でも、アジア路線に強いユナイテッドと中南米・欧州が主力のコンチネンタルでは補完関係が成り立つため、以前から合併効果が大きいと言われていた。08年春に交渉を加速させたが決裂。その後、08年秋の世界経済危機で両社とも経営が悪化、合併による経営効率化への機運が高まっていた。
毎日新聞 2010年5月4日 東京朝刊