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限界説も?ギリシャ危機でユーロがけっぷち (1/2ページ)
このニュースのトピックス:国際金融
【ロンドン=木村正人】巨額の財政赤字を抱えるギリシャやポルトガルの国債が格下げされ、欧州単一通貨ユーロががけっぷちに追い込まれている。ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)はギリシャに対し450億ユーロ(約5兆5400億円)の緊急融資枠を定めたものの、政治手続きが滞り、市場はギリシャの債務不履行を見越し攻勢をかける。「IMFは100億ユーロ(約1兆2300億円)の追加融資を検討中」と英紙が伝える中、ユーロ限界説も出始めた。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、ギリシャ国債の長期信用格付けを投機的水準の「BBプラス」に3段階引き下げるとともに、ポルトガルの格付けも「シングルAプラス」から「シングルAマイナス」に2段階引き下げた。
ギリシャ国債の利回りは、一時、10年物が約10%、2年物も約20%に達した。ポルトガル国債の利回りも急上昇。欧米やアジアの株式市場は一斉に下落した。
「ユーロの番人」と呼ばれる欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は27日、「ユーロ導入国の債務不履行は考えられない」と改めて火消しに努めた。市場はしかし、ユーロ圏とIMFの450億ユーロ緊急融資枠は「1年分に過ぎず、ギリシャの債務不履行を先送りする効果しかない」とみなしている。