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インドネシア:「売春」映画にバリ激怒 ビーチジゴロ登場、知事「法的措置も」

 ◇シンガポールの監督撮影

 【ジャカルタ佐藤賢二郎】インドネシア・バリ島のビーチでの外国人女性観光客と地元男性の交際を描いたドキュメンタリー映画が製作され、観光が主産業だけに地元が激怒。州知事が「(撮影した監督への)法的措置」に言及する騒ぎとなっている。

 作品名は「カウボーイズ・イン・パラダイス」。シンガポール在住のアミット・ビルマニ監督が08年から09年にかけ同島クタ・ビーチで撮影した。褐色の肌で流ちょうな英語を話す複数の地元男性が登場し、白人女性とのキスシーンなど性的関係を示唆する描写がされている。予告編が動画共有サイト「ユーチューブ」に投稿され、注目された。

 AFP通信などによると、バリ州のパスティカ知事は「正式な撮影許可を得ておらず法律違反。徹底的に調査して断固たる措置を取る」と言明。地元警察は4月26日、売春行為をしたとされる男性28人を別件で検挙した。警察責任者は「彼らは外国人、特に日本人の女性旅行者に近づき、肉体関係を持って経済的利益を得ている」と指摘しつつ、「売春の事実を立証するのは難しい」と話している。

 これに対しアミット監督は「ビーチジゴロ(男娼(だんしょう))たちの素顔を知ることが目的」と主張。自身のホームページで、映画製作のきっかけを「『将来は日本の女性に性的サービスを提供したい』と懸命に日本語を学ぶ12歳の少年との出会い」と書いている。

毎日新聞 2010年5月2日 東京朝刊

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