普天間基地の移設問題で自らが区切った5月末という期限が近づくなか、鳩山総理は4日、沖縄で一体何を述べるのでしょうか。
沖縄県宜野湾市の公園にある展望台。ここから「あの基地」が一望できます。在日アメリカ軍・普天間基地。4日、この基地の移設問題を話し合うため、鳩山総理が就任後はじめて沖縄を訪れます。ゴールデンウィークの真っ只中とあって、展望台には観光客の姿もありました。
「(テレビの)画面上では見ている。目で(実際に)見ることも・・・、関心があるからね」(富山から訪れた人)
普天間基地の移設先について、政府は従来の日米合意を修正した案を軸に最終調整を進めています。その中身は、鹿児島県の徳之島に部隊か訓練の一部を移設するとともに、キャンプシュワブのある沖縄県名護市辺野古の海に、くいを打ち込む方式で滑走路をつくることなどとなっています。
砂浜に何重にも巻かれた有刺鉄線が張られています。その向こうにあるのが、アメリカ海兵隊のキャンプシュワブの施設です。その前に広がっているのが辺野古の海です。
4日の鳩山総理の沖縄訪問を前に、3日、辺野古の海岸を訪れると、中には総理に対するメッセージ「鳩山さん、辺野古の海を守ってください」と書いてあります。
さらに船を出し、辺野古の海へ。目の前にあるのがキャンプシュワブです。海から見てみるとかなり広大な施設であることが分かります。幾つもの建物があります。
水中にカメラを入れると、そこには美しい風景が広がっていました。この海域には絶滅危惧種のジュゴンが生息しているとされ、基地の移設による環境破壊を危惧する声もあがっています。
「ジュゴンだけじゃなくて、海そのものが生き物が住めなくなる状態になるだろう。魚が住める状態じゃないと思う。潮の流れが変わって」(辺野古の海の保護に取り組む仲宗根和成さん)
名護市内には、移設に反対する看板なども多く掲げられていました。看板には、「鳩山総理の選挙公約『最低でも県外移設』を守ってください」とありました。
「環境問題があるなかで、新しく基地を造るのはおかしいこと」
「鳩山政権も県外移設を条件としてマニフェストを出していて、公約を守っていただきたい」(名護市民)
こうした声に、鳩山総理はどう応えるのでしょうか。沖縄訪問に備え3日、総理は北澤防衛大臣と平野官房長官と会談。4日、沖縄県の仲井真知事らに提示する案について、調整したものとみられます。
「総理の思いがあって沖縄に行かれるわけだから、知事はじめ、沖縄の県民の皆さまと率直な話し合いをされると思いますよ」(北澤俊美防衛相)
ただ、政府関係者によりますと、鳩山総理は政府案を完全に固まったものとして示すことは考えていないということで、むしろ、沖縄県側がどのような修正案であれば受け入れ余地があるのか、さぐる狙いがあるとみられます。
4日、鳩山総理との会談を予定している普天間基地を抱える宜野湾市の伊波市長はJNNの番組「Nスタ」に出演し・・・
「沖縄県民の声よりもアメリカ政府の声を重視するというのが、今の日本政府の流れではないかと思います」(沖縄・宜野湾市 伊波洋一市長)
また、社民党の福島党首も・・・
「桟橋をつくって海上基地を造る。いずれも環境破壊であり、沖縄県民への負担軽減とは絶対にならないと思いますが、みなさんどうですか」(社民党 福島みずほ党首)
政府内の合意案すらない状況での沖縄訪問。果たして、鳩山総理は何を語るのでしょうか。(03日17:51)