ユナイテッド＋コンチネンタル＝最大エア

　米航空３位のユナイテッド航空の親会社ＵＡＬと同４位のコンチネンタル航空は３日、両社の合併を発表した。当局の承認を得られれば、最大手のデルタ航空を抜き米国で最大、世界でも最大級の航空会社が誕生する。

　航空大手各社は金融危機後の景気低迷や燃料費高騰で軒並み赤字を計上、格安航空会社の台頭もあり、厳しい経営が続く。ユナイテッドなどは生き残りのため、効率化を図る。

　米国では、２００８年のデルタ航空とノースウエスト航空の合併に続く大型再編。今後、世界的に航空会社の統合や資本提携などが一段と活発化しそうだ。

　両社は全日本空輸と３社で日米路線を一体運営し、便数やダイヤを効率的に割り振り、運賃も共通化することを既に決定。現時点では日米路線に「大きな影響はない」（全日空関係者）というが、米２社が重複路線を合理化すれば日本便が減少する可能性もある。

　新会社は、売上高が０９年の単純合算で２８９億ドル（約２兆７１００億円）となり、デルタの２８０億ドルを抜く。フランス・オランダのエールフランス－ＫＬＭ（２３９億ユーロ＝約２兆９８００億円、０９年３月期）、ドイツのルフトハンザ航空（２２２億ユーロ、０９年）と肩を並べる。

　合併後の持ち株会社名は「ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス」で、傘下の航空事業会社は新「ユナイテッド航空」に一本化。本社はユナイテッドが本拠を置くシカゴにする。コンチネンタル株１株に対しＵＡＬ株１・０５株を割り当て、年末までに合併手続きを完了する。

　新会社の会長にユナイテッドのティルトン最高経営責任者（ＣＥＯ）、ＣＥＯにはコンチネンタルＣＥＯのスマイゼック氏が就く。ティルトン氏は「世界での競争に勝ち抜けると確信している」と表明した。

　新会社は全米で拠点を持ち、世界５９カ国、３７０都市に就航。両社とも１０年１～３月期決算は赤字だったが、１３年までに年１０億～１２億ドルの統合効果を上げ黒字化を目指す。（共同）

　［2010年5月4日0時40分］