西日本新聞は2日、九州の主要企業105社を対象とした景気アンケートの結果をまとめた。景気の現状について7割が「足踏み状態」との認識を示し、本格回復の時期は6割強が「2011年以降」と回答するなど、08年の世界金融危機に端を発する不況からの脱却にはなお時間を要するとの見方が大勢。今後の懸念材料として「国内政治の混乱」を挙げる企業が4割を超え、鳩山政権の経済対策に対して不満を募らせている現状も浮き彫りとなった。
調査は3月中旬から下旬にかけて選択方式で実施。製造業38社、非製造業67社が回答した。
景気の現状認識は「足踏み」が69・5%だったが、24・8%は「緩やかに拡大」と回答。「二番底に陥る可能性」については、80・0%が「可能性はあるが低い」としたほか、「景気は本格回復しつつある」「10年中に回復する」とみる企業が計35・2%あるなど、景気が上向きつつあるとの判断が一定程度は広がっている状況がうかがえた。
だが、本格回復を「11年以降」とする回答は62・9%に上り、今後の設備投資を「未定」とした企業も63・8%あった。景気は最悪期は脱したものの先行き不透明感はなお根強く、「攻めの経営」にかじを切れない企業の姿が浮かび上がる。
景気に関する懸念材料(複数回答)では「デフレの深刻化」(68・6%)、「雇用情勢の悪化」(63・8%)に次いで、「国内政治の混乱」(41・0%)が多かった。
鳩山政権の経済対策を尋ねたところ「評価しない」「どちらかといえば評価しない」が74・3%あり、その理由については84・6%が「成長戦略が不透明」と指摘。今夏の参院選で期待する結果では「自民党など野党が過半数」が36・2%と最も多く、民主党にとっては厳しい評価が示された。
=2010/04/03付 西日本新聞朝刊=