ポランスキー監督が書簡「もう黙っていられない」

　約３０年前の少女淫行事件によりスイスの別荘で軟禁下にある、映画「戦場のピアニスト」などで知られるロマン・ポランスキー監督は「もう黙っていられない」と、米国がスイスに要求している同監督の身柄移送に強く抵抗する書簡をフランスのオンライン雑誌で公開した。スイス紙が３日報じた。

　書簡は同監督の立場を強く支持するフランスの哲学者にあてられた。監督はこの中で、米国の移送要求は「虚偽に基づいている」と指摘。１９７７年当時、監督が米国で送った拘置生活は罪を償う上で十分な期間だったなどと主張した。

　また量刑言い渡しのため監督の出廷を求めている米ロサンゼルス郡検察のトップ、クーリー地方検事が、出馬中の選挙のために事件を利用し「メディア露出を必要としている」などと批判した。

　米カリフォルニア州の高裁は既に監督の出廷が必要とする判決を下しており、スイス司法当局が移送の是非の検討に入っている。 （共同）

[ 2010年05月03日 22:17 ]