【ニューヨーク=田中光】共産党の志位和夫委員長が核不拡散条約(NPT)再検討会議出席のため、同党トップとして初めて訪米した。4月30日に到着し、国連の軍縮担当者やスウェーデン代表部などと会談。1日にはNGOの集会に参加し、ベトナム戦争時に流行した「ウィー・シャル・オーバーカム」を口ずさんだ。
志位氏によると、1980年代末までは共産党員と名乗るだけで米国への入国を許されなかった。志位氏がオバマ大統領に送った書簡に米政府から返信が届いたことを挙げ、「米国政府が反共の壁を取り払った」と感慨深げ。米国社会の共産主義に対する見方はいまでも決して好意的ではないが、4日にはバーモント州議会との意見交換、7日に首都ワシントンで講演を予定している。
同党が「独占資本主義」などと批判してきた米国の印象について志位氏は「独特の活気がある」。訪米直前に会ったルース駐日大使から「ぜひ、ブロードウェーを楽しんできてくれ」と言われたというが、「なかなか難しい。なんとか時間をつくりたいんだけど」と話している。