池田信夫 blog

Part 2

2009年09月07日 13:47
Books

現代日本の転機

民主党の政策立案の中枢になる「国家戦略局」担当の副総理に、菅直人氏が内定した。人事としては順当なのだろうが、彼が戦略を立案できるのかどうかは疑問だ。社民党と一緒に彼が前の国会に提出した製造業の派遣を禁止する法案こそ、意図せざる結果を考えない非戦略的な政策の典型である。

そもそも国家戦略などというものを政府が立てることがナンセンスだ、とイースタリーのようなリバタリアンならいうだろうが、私はそこまで過激派ではない。よくも悪くも戦後の日本は1980年代まで、国家戦略なしで「超安定社会」を実現してきた。それが維持できなくなった今は、社会の中での国家の役割を見直す「メタ国家戦略」が必要だと思う。

著者もいうように、現状を「新自由主義の没落」とみるのは日本ローカルの発想であり、歴史学でも社会学でも大きな屈折点とみなされているのは、石油危機をきっかけとする「1973年の転機」である。これを機に「前期近代」まで有効だとされていたテクノクラートによる合理的支配がゆらぎ、福祉国家や大企業体制の限界が露呈した。経済問題でそれを象徴するのがスタグフレーションであり、それに対応して登場したのがレーガン政権などの「小さな政府」路線だった。

ところが日本はこの73年の危機をきっかけに世界市場でのプレゼンスを高め、スタグフレーションも経験しなかったため、欧米諸国が直面した「後期近代」への移行という問題に90年代になって直面した。日本の前期近代は、ウェーバー的な合理的支配というより、父権的な官僚と母権的な企業による「日本型福祉社会」だった。本来は国民負担でまかなわれるべき社会保障のコストを長期雇用などによって企業が負担したため、「高福祉・低負担」が実現したようにみえた。しかし90年代以降、その負担に耐えられなくなった企業が「やさしい母親」の役割を降り、海外移転や非正規雇用などによって資本の論理を追求し始めたため、格差や貧困などの問題が一挙に顕在化したのだ。

・・・と要約するとさほど斬新な話ではないが、よくも悪くも常識的な問題の整理だろう。著者もいうように、いま日本の直面している問題は、後期近代への過渡期の現象としての「自由と安定のジレンマ」であり、成長と分配のどちらをとるかという選択である。民主党のように後者をとるのも一つの戦略だが、それは成長を犠牲にし、分配の財源を枯渇させるリスクをはらんでいる。現実的な国家戦略は、このジレンマを直視することからしか出てこない。

追記:鳩山氏は、温室効果ガスを1990年比で25%削減すると表明したが、これによる国民負担は世帯あたり年間33万~91万円と推定されている。便益だけ強調して費用を無視するのは、戦略的な政策とはいえない。

トラックバックURL

トラックバック一覧

  1. 1.

    転機は危機か?社民との連立はいかがなものか...

    社民党の福島が雇用関係のポストに内定したそうだ。国民新の亀井氏は総務大臣を要求しているらしい。福島党首なんかが労働・雇用のポストに就けば政権は半分終わりだ。池田さんの現代日本の転機に分かりやすく書いてあるのでよく読むべきだ。社民党と一緒に彼が前の国...

  2. 2.

    サンプロ 温室効果ガス25%削減を最短で実現する方法

    今日のサンプロの田原コーナーは、「民主党に問う、温室効果ガス25%削減は可能か?」でした。ゲストの藤井裕久(民主党最高顧問)の答えは、残念ながら私の耳には明快な理論とし...

コメント一覧

  1. 1.
    • ya
    • 2009年09月07日 17:36

    鳩山氏の発言
    >鳩山氏は、温室効果ガスを1990年比で25%削減すると表明した
    「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、わが国の国際社会への約束の『前提』となる」と言ったそうですから、ちゃんと逃げ道が用意してあると思うのは甘いですかね?

  2. 2.
    • ペンギン
    • 2009年09月07日 22:28

    すべての人が打ちひしがれている
    面白そうな本ですね。今度読んでみようと思います。
    滑稽な考えだというのは承知の上で、私は今の状態が弁証法で言うアンチテーゼの状態なんじゃないかと思うようになりました。
    次のジンテーゼに向かうためには、政府に頼らない人達から革命が起きるしかないのではという一種のあきらめかもしれません。
    また、現状の問題は日本だけの物でも無いと思います。
    少なくともアメリカの方が重病なのはほぼ間違い無い。
    ただし、政治家の質はアメリカの方がずっと上なので、彼らの成功を見てからでないと日本は変われないのでしょう。

  3. 3.
    • パパより
    • 2009年09月07日 22:54

    国民負担
    少し前の中国の農村部の映像を見ていると、田んぼを牛で耕していたりする。「こういう風景が本当はエコっていうんだろうな。でも、企業は生き残らなくちゃいけないから、いずれこの地域にもエンジン付きの農機が導入されるのだろう」と、当時映像を見ながら、担当者と雑談していました。2年前のことです。
    ウォッシュレットのないトイレは苦痛だが、家の中の家電が多少減ったりするのはいっこうに構わんよ。携帯も、どうせ要らない電話しかかかってこないから、無くても良い。本当に必要な道具だけを残して、シンプルな生活を目指したいと思っているから(物欲を捨てきれないので実行は難しい)。
    手取り収入は当然、今後もいろいろな原因で減っていくでしょう。人口構成の変化などで市場も変化するので、仮にその削減目標が達成されたとき、収入の減った原因は特定しにくくなっているような気がする。
    問題は、家族にそういう、今よりも便利ではない生活をする覚悟ができるかだ。収入が減ったり、「便利だよ」と宣伝される品を買わないのは嫌だといわれたりする。扶養されている人は、給与が減った原因を理解できないので、不満ばかりがたまるのだろう。

  4. 4.
    • yasu
    • 2009年09月07日 23:19

    政治も数学的に考えて
    素朴な疑問ですけど、鳩山さんって本当に理系なんでしょうか?温室効果ガスや派遣の事など、どうも安直な正義や温情に流されるきらいがありますよね。a=b、b=c、だからa=cみたいな冷静でシンプルな数学的考察に欠ける気が…。

  5. 5.
    • 江戸川アダモ
    • 2009年09月08日 00:31

    兄弟そろって支離滅裂
    高速道路を無料にしといて、CO2減らせですか。この人にかかったらトンでもないインセンティブメカニズムができて、経済を歪めてしまいそうです。
    どこかのアンケート結果にも出ていましたが、有権者が民主党に投票したのは自民党に対する不満からであって、民主党のマニフェストに期待する人は殆どいないということを判っているんですかね。
    鳩山さんは最近妙に威勢がよいですが、政界再編までの繋ぎまたは傀儡政権のマスコットという本来の役回りをちゃんと自覚して欲しいものです。

  6. 6.

    日本における理系の政治家という幻想
    鳩山(兄)以外にも、菅直人、引退した不破哲三、落選した太田昭宏など理工系学部出身の政治家はけっこういますね。自殺した永田寿康もそうでした。あと医学部出身者もそこそこいる。
    ただ、私の比較的身近な政治家なども含めて、大学や大学院が理工系といっても、政治家になってしまうと陳情対応や地元のケアなどに忙殺されて理系的な思考をする場が減るのか、大脳の働きそのものが衰退してしまったのではないか、と思うことがあります。
    参議院などで専門的な能力が発揮できるよう、二院制のあり方そのものを考え直したらよいのかもしれません。

  7. 7.
    • roudoumondai
    • 2009年09月08日 02:06

    日本の滅茶苦茶な雇用方法
    日本の滅茶苦茶な雇用方法
    http://d.hatena.ne.jp/roudoumondai/
    というのを書いたので読んでみてください。

  8. 8.
    • zaizeno
    • 2009年09月08日 02:10

    自由と成長を選択する党は?
    >いま日本の直面している問題は、後期近代への過渡期の現象としての「自由と安定のジレンマ」であり、成長と分配のどちらをとるかという選択である。民主党のように後者をとるのも一つの戦略だが、
    しかし、それでは自民党が安定よりも自由と成長の方を重視する政党かというと、必ずしもそうでもなく、やはり主流は安定と分配の重視であったように思います。(典型は竹下派などかと)
    また、自民党が今後、民主党に対抗して、自由と成長を重視する政党に変われるかというと、そういう将来像も想像するのが難しいように思います。
    それでは一体だれが「自由と成長」「市場メカニズム」重視の立場を担ってくれるのでしょうか。
    現状では「みんなの党」が最もそういう方向を向いている党であるように見えますが、ここは民主党にも是非1998年の結党の精神に立ち返って、再び「自己責任と自由意思を前提とした市場原理を貫徹」「経済構造改革」「持続可能な経済成長」を打ち出して欲しいものです。
    まあ、当分は無理かも知れませんが・・・

  9. 9.
    • ひろせ
    • 2009年09月08日 08:24

    re: 国民負担
    パパさんへ
    >少し前の中国の農村部の映像を見ていると、田んぼを牛で耕していたりする。「こういう風景が本当はエコっていうんだろうな。でも、企業は生き残らなくちゃいけないから、いずれこの地域にもエンジン付きの農機が導入されるのだろう」と、当時映像を見ながら、担当者と雑談していました。2年前のことです。
    機械を使わなければ良いというものではありません。
    牛馬と農機とでは性能が違いすぎます。
    旧型の耕運機ですら、70~80馬力あります。
    耕運機1台で馬70~80頭分の仕事が出来るということです。
    そのままの数字ではないにしても、数10倍の耕地能力は収穫量にモロに影響出ると思いますよ。
    これがトラクターになると更に数倍です。
    無くてもあまり困らないものの例えで、無いと成り立たないものを無くされたらたまりませんよ。

  10. 10.

    負担がきつい…
    33万円の負担は1人暮らしだときついでしょうね。月3万円くらい多めに出て行くわけですし…
    とはいえ、民主党は大きな政府を目指すようですから、その際に国民負担がどうなるのか、それを国民が直に知るチャンスかもしれません。そうすれば目が覚める…かも(笑)

  11. 11.
    • tanakac2008
    • 2009年09月08日 11:41

    鳩山博士の異常なる愛情
    >鳩山さんは最近妙に威勢がよいですが、政界再編までの繋ぎまたは傀儡政権のマスコットという本来の役回りをちゃんと自覚して欲しいものです。
    そんな自覚はしていませんよ。国民の圧倒的支持を得た「大統領」のようなつもりでいるんでしょう。
    テレビで見る鳩山氏の顔が「今の我々なら何でもできる」という万能感に溢れた顔つきに変わりつつあるようです。「公約どおり温室効果ガスを1990年比で25%削減する、そして世界に対してリーダーシップを発揮する」この発言も日本は70年代のオイルショックを乗り越えたんだから今回も大丈夫だと軽く考えているんでしょう。とても「政治を科学する」ORの専門家の発言とはおもえません。「この公約を実現するためにはさまざまな事例や現状を分析するための情報収集がまず必要だ」「日本は情報管理が弱い、総務省に情報管理の専門家も揃えて情報総務省にする」などと発言しておいた方がはるかに「賢く」「有能に」みえたでしょう。
    だいたい世界の首脳たちが諸手をあげて賞賛する、歓迎する、とかいう時、おっ!いいカモが来た!こいつは簡単にだませそうだ!というケースがあることくらい、鳩山さんや今度外相になられる岡田氏も知っておいた方が良いでしょう。
    今のままだと排出権取引で100兆ほど持っていかれるか、日本が経済的に没落してGNPが世界15位になり結果的に公約を実現するか、そのどちらかになるでしょう。

  12. 12.
    • kakusei Ⅲ
    • 2009年09月08日 11:58

    白昼夢の効用?
    ひろせ さん
    この種の人に、理を説いても理解を超えているのでしょう。耕運機で耕す生産性の高さが、めぐり巡って、医療の開発研究の時間を生み出し、病気の治療が進歩し・・等と言う展開まで考えることが出来ず、ただ、センチメンタルに家電機器を排除したら、安穏な世界が生まれると誤解して白昼夢にふけるのでしょう。
    ある意味、それをハードでやっているのが、薬物汚染でして、幻覚の中に逃避しているのですが、何せ安易ですから。白昼夢も、ある意味常用していると錯乱が常態化しかねません。閉塞感がもたらす災いの一つですがね。

  13. 13.
    • 2009年09月08日 13:54

    二大政党の場合、大きな差は生じません
    zaizenoさん、実在する政党の名前とは別に、自由民主的な政党と社会民主的な政党の、ふたつの政党があったとします。どちらの政党が政権を担ったとしても、大きな差は生じにくい。なぜなら、政策の効果を高めるには、相反するふたつの政策、すなわち自由民主的な政策と社会民主的な政策を表裏一体で行う必要があるから。ポイントは、どちらの政策により重きを置くかという、程度の問題になります。
    政治は、かなり退屈な作業になりますが、それが成熟した国家における二大政党制というものでしょう。日本はようやくそのひとつになりつつあるといったところですが、そういった安定性を破壊する思想を世界では「原理主義」と呼ぶらしい。日本では、「新自由主義」という言葉の評判はよくないようですが、世界では、「市場原理主義」という言葉の評判のほうが悪いと思う。

  14. 14.
    • kibinohimajin
    • 2009年09月08日 14:07

    耕耘機
    いまや耕耘機などの農業機械は、すべてがそうだとは申しませんが、見栄の代償以外の何ものでもなくなっています。
    家内の実家の爺っちゃまなども、田んぼから上がる収量を、能力的にも金銭的にもはるかに上回る大げさな農業機械を購入し、よく婆様に叱られていました。
    共同で使えばはるかに経済的だと思うのですが、そうもいかないようです。
    農地の集積化などに、莫大な予算をつけるなどの愚作は、もっと早くやめるべきでした。

  15. 15.
    • pk-uzawanian
    • 2009年09月08日 14:24

    73年以降、変動相場制になり、各国通貨の相対的な価値が変動するようになりました。通貨とは負債であり、負債はバランスシートの部分です。つまり経済全体(の評価)が変動するようになったということです。
    これ以降の各国政府の戦略は、この変動性をどのように受け止めるか?どう緩衝装置(バッファー)を作るか?という目標に向かって立てられました。EUは、その戦略のうちの一つです。日本は、国債と為替介入と海外進出と非正規雇用の組み合わせ等のセットでしょう。しかし、かなりネタ切れになってしまいました。
    通貨(負債)価値の変動が本質なのですから、負債に直接手を入れるという、預金課税(負債の固定資産税)などが残る手段でしょう。

  16. 16.
    • 2009年09月08日 16:40

    kibinohimajinさん
    まったくおっしゃる通りです。ようやく、いい動きがはじまっています。
    http://www.asahi.com/politics/update/0907/TKY200909070323.html
    農水のほうは、清和会の利権が強くて、なかなか改革できなかったのですね。小泉内閣時代も聖域になってました。郵政より先に、農業のためでなく農業土木事業のためになっていた農政こそ改革すべきだったのですが、、、。
    日本の農業はよくなると思います。でも民主党の資源エネルギー政策はダメだと思いますね。私は石炭火力主義者なので闘うw
    余談ですが、ぶってぶって姫をずっと議員にしておくことはできないので、民主党岡山支部は次の参院選か次の次の参院選で岳君をスカウトするかもしれないですね。小沢さんはウェルカムでしょう。それが岡山県民にとって必要なことなら、私は反対しません。

  17. 17.
    • kakusei Ⅲ
    • 2009年09月08日 18:01

    小泉氏も麻生氏も同じだったの?
    >どちらの政党が政権を担ったとしても、大きな差は生じにくい。
    また、また、トンデモ話を。
    同じ党でも、小泉政権と麻生政権とでは大きな差があったではないですか。
    まして、党が変われば、大きく変わりますよ。
    アメリカだって変わってるじゃないですか。

  18. 18.
    • advanced_future
    • 2009年09月08日 23:05

    何と戦争をするのかも重要か
    「国家戦略と意図せざる結果」の本質からは少しズレるのですが、民主党の立場に立って考えてみます。私は池田さんのご主張に賛同している者です。地球温暖化問題を経済学的問題として捉え、便益と費用のトレードオフをバランス良く評価することの重要性、全くその通りだと思います。
    しかし、世帯あたり年間推定33万~91万円の国民負担が費用無視かどうかについては、立ち位置によって変わると思います。例えば、地球物理学者などが主張する地球寒冷化(もしくは気候変動に関与する人為的影響は小さい)論を支持する立場にある時は、1990年比で25%削減などという目標設定はナンセンスです。
    が、もし破滅リスクを過大評価するとなると、ほとんどの便益が吹き飛ぶよりは多少の費用は無視しても構わないという姿勢を持つことになるかと思います。その制約を各国間で共有する中で、日本環境技術産業の成長を描くことは決して非合理ではないと思います
    (青年の主張のごとき理想論ですが)リスクを誇大広告し、地球温暖化の根拠を世界に向けて啓蒙していくことによって環境制約を各国に押し込めれば、日本の世界的地位の向上とともに日本産業にとっても有利に働くという計算があるのではないでしょうか。他にもスマート・グリッド的なイメージで超効率エネルギー革命のような旗を掲げたいという抽象論先行の側面もあろうかと思いますが、何にせよもし地球温暖化が危急の問題であるならば、世界的リーダシップを取ろうとすることは国家戦略として間違ったものではないと考えます。(ルールメーカーになりたいなど理由で)
    誤った情報に基づいて下される判断は誤ったものになりますが、問題は、何を前提として立っているのか、という点だと思います。残念ながら私は無知なので明確にはいえませんが、考え方としてはどちらも間違っていないと思います。
    それと、メタ的にみると、民主党は擬似戦争を起こそうとしているのではありませんか。経済を立て直す秘策として。
    冗談が過ぎました。

  19. 19.
    • 江戸川アダモ
    • 2009年09月08日 23:57

    兄弟そろって勘違い男
    >国民の圧倒的支持を得た「大統領」のようなつもりでいるんでしょう。
    テレビで見る鳩山氏の顔が「今の我々なら何でもできる」という万能感に溢れた顔つきに変わりつつあるようです。
    私もそれは感じました。相変わらず目は泳いでいますが、選挙前に「野党化」した自民党に追及されておどおどしていた頃と違って、今は妙に自身をつけてしまったように感じます。自分が日本のオバマになったとでも思っているのでしょう。
    地球温暖化対策についてもおっしゃる通りで、欧米は掛け声の裏で自国の利益になる仕組みを考えています。なのに建前を額面通り受け取って地球の救世主になろうとするとカモにされるだけですね。
    鳩山家のDNAなんでしょうか、弟の郵政事業をめぐる発言といい、典型的なパターナリズム脳ですね。「か弱い国民を俺が守ってやる」という根拠のない自信、勘違いのすごさは流石兄弟です。小沢さんは何を考えているのかな?

  20. 20.
    • 001
    • 2009年09月09日 00:02

    政治家
    民主がいいとかわるいとか、鳩山ポッポがうんたらかんたらとか…もう動き出してしまったんですよね…止められないんですよね…それで気になったのですが、今回の選挙で労働組合系出の政治家はどれくらい増えたのでしょうか?それが気がかりです。分配をする政治家の割合を知りたい!!!!!

  21. 21.

    人民公社
    日本に人民公社制度を導入するべきだとは言いませんが、日本の農業がホントに細かく細かく分かれた土地で行われているのに驚きます。日本の政治家の事情は全く知りませんが、農地の集積という考え方が間違っているとは思えません。もちろんインセンティブの出し方はいろいろあるでしょうけど。
    集積が進まないから「田んぼから上がる収量を、能力的にも金銭的にもはるかに上回る大げさな農業機械を購入し」などという現象がおきるんじゃないかと思います。大規模に農業をしようという人に補助を出すのは、ちょっと見ると正論に見えるのですが、農民の農地に対する(それが1アール、1ムーだとしても)執着を考えると、耕せなくなっても人に耕作させるよりは荒地にするほうを選ぶという、非合理的選択について何の考慮もされていません。中国でも請負耕作制度が南部で始まりましたが同じような障碍に突き当たっているようです。
    私の先生の先生に当たる方で先日なくなられた学者が、「国家独占資本主義」という考え方を1970年代に提唱されました。1970年代、池田先生のおっしゃる「後期近代」の経済の変質を、ルーズベルト以来の国民経済への財政の介入のある種の完成した形式ととらえる考え方です。しかしこの段階になっても自転車操業という資本主義の本質は変わっていないのですから成長か分配かという選択肢はなく、成長がなければ自転車は倒れるだけだという考えかたが正しいと私は思うのです。結局、日本と中国は別々の経路をたどって同じ山に登りつつあるような気がします。
    エラそうなこと言ってスミマセン・・・ 秋

  22. 22.
    • kibinohimajin
    • 2009年09月09日 06:55

    愚策ついでに
    猫さんへ
    農業土木や不要な道路、灌漑施設づくり等で「富の再配分」をといった、これまでの施策の結果、日本固有の原風景はことごとく破壊し尽くされました。
    狸か鹿しか通らないような立派な道路づくりにいったいどんな意味があるのでしょう。
    食糧自給率アップのキャンペーン費用に数十億円、空いた口がふさがりません。
    良い機会ですから、その種の愚策を徹底的に洗い直していただきたいものです。
    そうしたものを丹念に積み上げれば、二兆円三兆円の財源はすぐに出てくるのではないでしょうか。
    ついでに、国・地方を問わず、潜在的余剰公務員の数を25%ほど削減し、その優秀な頭脳(?)をおおいに市場で鍛え、日本経済の活性化に生かしていただきたいものです。
    官僚といわれる方々の、(それが有用かどうかは別として)少なくとも机上で新しい仕事を作り出す能力は、確かに卓越しています。
    ぶってぶって姫は別として、橋岳氏には、ぜひ次期知事選に出馬いただき、現場で自らを徹底的に鍛え、それから国政でも遅くはないのではないでしょうか。
    国政より、今は地方の方がはるかに自分のやりたい事やキャラクターを打ち出せます。

  23. 23.
    • 黒猫
    • 2009年09月09日 10:21

    地球というパイ
    太陽からリアルタイムで得られるエネルギー内で生活するのが本当の共生であり今世界中で行われている「エコ」なんてどれをみても白けるばかりです。誰にもパイを大きくする事はできません。経済学者もその範囲内での現実的な解決策を提供すべきでしょう。過去の太陽エネルギーの蓄積である石油、石炭を取り崩して何が「エコ」なんでしょう。少々それが減ったところでいつかは枯渇し人類は滅びてしまうのですから。。。
    エイズで人口爆発が抑えられている現状。新型インフルエンザが強毒化してペストみたいになルカもしれない。。。そうなれば食糧問題、年金問題、医療介護問題すべて一気に解消です。人類が増えすぎると必ず調製過程に入ります。今はその前兆を見ているのでしょう。

  24. 24.
    • koyakusya
    • 2009年09月09日 11:54

    環境税?
    >追記:鳩山氏は、温室効果ガスを1990年比で25%削>減すると表明したが、これによる国民負担は世帯あ>たり年間33万~91万円と推定されている。便益だけ>強調して費用を無視するのは、戦略的な政策とはい>えない。
    よく出てくる「国民一人当たり」「国民世帯あたり」は注目度が高い表現故に当然「負担」は好ましくない感情を喚起する。国民は「もらえるのはうれしいが失うのはイヤ」が本質だが、この削減目標実現に対する負担をどのような形で負担するのかが興味の対象ではないだろうか?
    換算すれば大きな負担であるが、直接的に環境税などで税負担で家計が負担することになればもっとシビアな反応になるだろう。
    費用がかかりそれをどのように捻出するかを示した上での目標でなければただの願望か妄言ととられても仕方ない。

  25. 25.
    • 2009年09月09日 17:30

    農業について
    kibinohimajinさん、農業についてだけ言えば、民主党の政策はかなり筋がいいと思います。政府がスーパー農道やスーパー林道に多額の税金を投入する場面はもうないでしょう。ただ、戸別所得補償とは別に、積極策がもうひとつあればと思います。たとえば、自作農家が小作農も行う場面で、農地の地代の一部を補填するといった政策です。専業農家を育成するには最低でも1ha以上の自作農地と3ha以上の小作農地が必要でしょう。アジア的家族農業のままでも10haくらいまででしたら十分やれるはずですしね。
    岳君を岡山県知事にするというのは、アイディアとしていいかもしれないですね。でも、民主党岡山支部が参院選に出馬してほしいと言ったらどうしますか。ほぼ間違いなく、当選すると思いますよ。小沢さんがモーレツに支援してくれるでしょうからw
    アメリカやドイツのような地方分権国家では、二院の役割分担ができています。国全体のことを考えるのは上院、各地のことを考えるのは下院、というふうになってますね。今後の日本は地方分権国家になると仮定した場合、各地のことを考えるのはもっぱら参院の仕事になるでしょう。本人が、岡山県をよくするための仕事にだけ専念したいと思っているようでしたら、私は反対しません。
    趙秋瑾さん、私は中国の農政がよいとはぜんぜん思いません。そもそも、農民と都市住民の戸籍が異なるといった行政システムがよいシステムであるとは思えない。あれでは、ロシアのように、コルホーズで小作をやりながら二次的に自分の土地で自作もやるといった、「改革」がやれないでしょう。日本の場合、ロシアとは逆順、つまり一次的に自作をやり二次的に小作もやるといった方向で改革を行うことになると思いますが、中国はどうするつもりでいるのか。私はかなり悲観的に見てます。
    それと、お願いがひとつあります。僕に「先生」をつけるのはやめてください。つかるのは「さん」くらいにしておいてください。孟子や荀子に「先生」をつけるのはいいと思いますがw

  26. 26.
    • shousiminjp
    • 2009年09月10日 00:24

    農業政策???
    なぜ農地の集積がおこらないかっていうのは実のところ、農家は土地の値段が上がって売れるのを待っているだけのような気もします。高速道路がやってきて高く土地を売った人が過去の勝ち組だったわけですからね。 そのへんの勝ち組をリセットする方向にインフレをおこして、地上げして土地を売るような抜け道をふさいでいくという方向性を示すことが重要なんじゃないでしょうか?

  27. 27.
    • pk-uzawanian
    • 2009年09月10日 06:52

    社会の変化は、投資の累積の結果として実現する。
    低成長の下で利益を出しながら投資を続け変化していくということは、とてもとても難しい。
    どんなに良い政策でも、振れが大きい変動の大きな結果をもたらす政策は、経済主体の適応を困難にさせるので、多くの場合失敗する。
    戦略目標や論理の共有が無いままに二大政党制を続ければ、政策の振れから経済社会は次第に荒廃してくるだろう。
    これからの日本は、失われた10年よりもっと悲惨になる可能性がある。

  28. 28.
    • 2009年09月10日 09:11

    shousiminjpさん
    高速道路だの新幹線だののおかげで金持ちになった土地持ちはたくさんいるでしょうね。そういう時代では終わったのですが、そういう時代を続けたがっている人がたくさんいるのも事実ですね。おかげで自民党は大敗です。厄介なことに、自民党はそうでない人たちよりそういう人たちのほうがたくさん生き残ってしまいましたがw
    農地の集約する場合、農業土木事業がともないます。しかし日本の農地は、たいがい、整備がしっかり行われている。したがって農業土木事業は不要と考えます。整備さえしてあれば、散在していても専業農家は使うことができます。

  29. 29.
    • kk8n53m
    • 2009年09月16日 18:46

    普段は輸出政策で資産が積みあがっていくとともに、生活に余裕が出てきて転職や趣味投資などの機会も増えるはずなんですけど、どういうわけか日本は資産だけが膨れ上がって個人に与えられた機会が全く増えてこなかった、とふと思いました。

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。               



連絡先
記事検索




メルマガ
イノベーションの法則

企業のイノベーションの成功例と失敗例を経済理論で分析し、日本の企業が立ち直るための条件を考えます。

サンプル
書評した本


ポスト社会主義の政治経済学―体制転換20年のハンガリー:旧体制の変化と継続ポスト社会主義の政治経済学
★★★☆☆書評


〈私〉時代のデモクラシー (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1240)〈私〉時代のデモクラシー
★★★★☆
書評


マクロ経済学 (New Liberal Arts Selection)マクロ経済学
★★★★☆
書評


企業 契約 金融構造
★★★★★
書評


だまされ上手が生き残る 入門! 進化心理学 (光文社新書)だまされ上手が生き残る
★★★☆☆
書評


バーナンキは正しかったか? FRBの真相バーナンキは正しかったか?
★★★★☆
書評


競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)競争と公平感
★★★★☆
書評


ゲーム理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)ビンモア:ゲーム理論
★★★★☆


フーコー 生権力と統治性フーコー 生権力と統治性
★★★★☆
書評


iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏 (brain on the entertainment Books)iPad VS. キンドル
★★★★☆
書評


行動ゲーム理論入門行動ゲーム理論入門
★★★★☆
書評


「環境主義」は本当に正しいか?チェコ大統領が温暖化論争に警告する「環境主義」は本当に正しいか?
★★★☆☆
書評


REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方REMIX★★★★☆
書評


行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)行動経済学
★★★★☆
書評



フリーフォール グローバル経済はどこまで落ちるのかフリーフォール
★★★☆☆
書評


現代の金融入門現代の金融入門
★★★★☆
書評


学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識学歴の耐えられない軽さ
★★★☆☆
書評


ナビゲート!日本経済 (ちくま新書)ナビゲート!日本経済
★★★★☆
書評


ミクロ経済学〈2〉効率化と格差是正 (プログレッシブ経済学シリーズ)ミクロ経済学Ⅱ
★★★★☆
書評


Too Big to Fail: The Inside Story of How Wall Street and Washington Fought to Save the FinancialSystem---and ThemselvesToo Big to Fail
★★★★☆
書評


世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)世論の曲解
★★★☆☆
書評


Macroeconomics
★★★★★
書評


マネーの進化史
★★★★☆
書評


歴史入門 (中公文庫)歴史入門
★★★★☆
書評


比較歴史制度分析 (叢書〈制度を考える〉)比較歴史制度分析
★★★★★
書評


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー:〈無料〉からお金を生みだす新戦略
★★★★☆
書評


新潮選書強い者は生き残れない環境から考える新しい進化論強い者は生き残れない
★★★☆☆
書評


労働市場改革の経済学労働市場改革の経済学
★★★★☆
書評


「亡国農政」の終焉 (ベスト新書)「亡国農政」の終焉
★★★★☆
書評


完全なる証明完全なる証明
★★★☆☆
書評


生命保険のカラクリ生命保険のカラクリ
★★★★☆
書評


チャイナ・アズ・ナンバーワン
★★★★☆
書評



成功は一日で捨て去れ
★★★☆☆
書評


ネット評判社会
★★★★☆
書評



----------------------

★★★★★



アニマル・スピリット
書評


ブラック・スワン
書評


市場の変相
書評


Against Intellectual Monopoly
書評


財投改革の経済学
書評


著作権法
書評


The Theory of Corporate FinanceThe Theory of Corporate Finance
書評



★★★★☆



つぎはぎだらけの脳と心
書評


倒壊する巨塔
書評


傲慢な援助
書評


In FED We Trust
書評


思考する言語
書評


The Venturesome Economy
書評


CIA秘録
書評


生政治の誕生
書評


Gridlock Economy
書評


禁断の市場
書評


暴走する資本主義
書評


市場リスク:暴落は必然か
書評


現代の金融政策
書評


テロと救済の原理主義
書評


秘密の国 オフショア市場
書評

QRコード
QRコード
  • livedoor Readerに登録
  • RSS
  • livedoor Blog(ブログ)