高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
145:タイガーマスク外伝⑥~トラウマ必至のミスターX死亡シーン
<2008年5月=東スポ携帯サイトより>
タイガーマスクの名脇役・ミスターX。
虎の穴のマネージャーとして本部から極東地区の要である日本に派遣され、プロモーター業なども兼務していた(「ふく面ワールドリーグ戦」などは日本プロレス協会ではなく、ミスターXの興行だった)。
シルクハットにマント、右目には片眼鏡(「モノクル」と呼ぶのだそうだ)という、まるで怪盗ルパンのような前時代的な格好。そしてテレビ版では不気味な紫色の皮膚をしており、まるで怪人扱いだ。
さて、そんなミスターXが、最終回直前の第105話「あがく『虎の穴』」で、壮絶な死を迎えているのをご存知だろうか? また、その演出が実写画面をも交えて実に凄まじい。こんなのを少年時代に観たらトラウマ必至。
事実、私がそうだ。
この回は、ホテルの一室でタイガーこと伊達直人がルリ子さんに、自らの正体を明かし、森進一の「望郷」カラオケバージョンをBGMに抱擁と、濃すぎる演出とともにスタート。そして後半は、タイガー暗殺を狙うXと、タイガーによるスパイ映画さながらのスリルとアクションが満載だ。もはやプロレスはどこかにいってしまっている。
なぜXは焦るのか? それは虎の穴のボスであるタイガー・ザ・グレイトとタイガーの最終決戦で、グレイトによってタイガーが抹殺されてしまえば、これまで数年に渡ってタイガー抹殺に失敗し続けてきた自分が「用なし」と判断され、これまでの失敗の責任を問われ、虎の穴から処刑の対
象とされてしまうからである。
焦るXは、謎の女・ジェーン(この人はあまりヤル気が感じられない。まるで傍観者のような態度だ)を従え、タイガーを追跡し、あの手この手で波止場へと追い込む。そしてブルドーザーとローラー車で、タイガーの運転する赤いスポーツカーを挟み撃ちし、海底へと沈めてしまう。
だがタイガーは持ち前の反射神経でスポーツカーから脱出。覆面のまま海から這い上がってくると、なぜか人気のない波止場に停まっていたタクシーに乗り込み、姿を消す。
Xはすぐにタクシーを追う。身の危険を感じたタイガーは運転手を逃がすと、自ら覆面姿のままタクシーを運転して逃げるが、今度は工事現場へと追い込まれる。運転席のタイガーはXの銃撃を身を沈めてかわし、手でアクセルを踏みつつタクシーを操る。そして強引に砂利山に乗り上げ、そのまま穴場をジャンプして飛び越え、逃走に成功するのだった。
一方、追うXは外車で砂利山を登ったまでは良かったが、外車ならではの高重量が災いし、穴場をジャンプしきれず、真っ逆さまに転落。後続のローラー車も一緒に転落し、
シルクハットは転がり、自慢の片眼鏡も割れ落ちたXは「とうとうタイガーを倒せぬまま、私は死ぬのか? タイガーめ…タイガーっ」と断末魔の叫びとともに絶命する。
この時だ。画面は突然、アニメから実写映像へと切り替わる。そして画面中央のワラ人形に五寸釘が突き刺さり、血がドバっと噴き出すという驚愕の演出…。バックには、タイガーマスク劇中で使用されてきた、パンチ音、キック音、骨が軋む音、金切り声、なぜかホイッスルの音など様々な擬音が狂ったように鳴り響く。
私は今も、アニメ番組でこれほどインパクトの強い演出に出会ったことはない。ここまでやれば無念の死を遂げたミスターXも浮かばれることだろう。
ちなみにタイガーは翌朝、ホテルに届けられた「毎朝新聞」紙上でXの“事故死”を知る。記事によると、ミスターXの命日は1971年9月2日となる。
プロフィル
高木圭介のプロフィル
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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