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【愛知】イラク戦争の凄惨な実態知って 名古屋で映像撮影の男性講演2010年4月18日
イラク戦争で米軍によるファルージャ総攻撃の凄惨(せいさん)な様子を映像に記録した現地在住のワセック・ジャシムさん(30)が17日、名古屋市中村区の県産業労働センターで講演。多数の死者と行方不明者が出た総攻撃の実態を知ってほしいと訴えた。 ファルージャはバグダッド西に位置する都市。ワセックさんは2004年11月の総攻撃後、米軍が避難民に返還した遺体を撮影。その凄惨な姿は国際社会に衝撃を与えた。 来日するのは初めてで、この日は自ら撮影した映像を公開。遺体は洋服を残して体だけ焼けていたり、皮膚が青白くなって体から離れていたり、悲惨さを克明に伝えていた。「米軍はどんな兵器を使ったのか。1カ月間、食べることも寝ることもできなかった」と苦悩を打ち明けた。 また現地では誕生後に間もなく亡くなる子も多いとして「先天性異常がある子どもたちは、どんな罪を犯したと言うのか」と憤った。 04年にイラクで人道支援活動中に武装勢力に拘束され、解放された高遠菜穂子さんが同席し、通訳を務めた。高遠さんは「民主党政権にはイラクへの謝罪を望む。日本も戦争責任を問われている」と話した。 この日は名古屋高裁が、航空自衛隊によるイラク空輸活動を違憲と判断してからちょうど2年目。講演は「自衛隊イラク派兵差止訴訟全国弁護団」の元原告有志が主催した記念シンポジウムの中で行われた。 (丸田稔之)
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