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Sep 11,07 @ 00:44AM
 あの事件?それはここらで流行っていた正体不明連続事故−原因はある男が通ると、その足跡を30分以内に踏んだ人間は30分後に怪我を負うという・・・なんとも罠のような連続事故であった。小さいものではその場で滑る、大きいものでは標識の下敷きになるという・・・なんとも不可思議な事件だった。
 その男が−倉田誠一だったらしい。名前がなぜ知れ渡っているのかは知らないが。結局、「ごみみたいな扱いにはしない」でいてくれた。人の死には慣れているせいか、楽しく生きていくことが礼だとは分かっている。

 「敦は部活何入る?」学校の帰り際、蘭子と真一が尋ねた。一応二人は中学時代にはテニス部に入っていたらしい。クラブ程度だったらしいが。
 一方敦の方は、名門校にいたので、大会にも何度も出ている。高校の部で県3強のうちに入っている。全国にも何度も出ている。
 ちなみに、進共学園も、高校で3強のうちに入っている・・・少人数編成でだが。だからライバルになることはない。
 「・・・吹奏楽かな?いつもどおり」敦は悩んでいるように見せかけた。
 「ってかお前それしか選択肢ないんだろ」wwwとついているかのように真一が冗談めかしく言った。まぁ敦にはそれしか選択肢は無い。
 「それじゃあ決まりだね!また3人でいっしょに・・・」蘭子が言っているところで
 「ちょっと待ったほうがいいんじゃない?」
 同じクラスで唯一前の席の相田加奈だ。
 「ここには『ブラスバンド部』と『吹奏楽部』とあるのよ?」
 「う〜ん〜と・・・カナちゃん?」蘭子が彼女の言葉をスルーして尋ねた。
 「え?・・・どうしてわかった?」「カナ」が訊き返す。
 「だって・・・そのキーホルダー・・・」
 なんとも奇妙なことに、加奈と蘭子は・・・というかこの4人は、幼稚園の同じ「くみ」だったらしい。女って変わるから分かるはずが。加奈の方は敦と真一の喋り方で分かったらしいが。
 「それで?どうするの?」

 次回・Note6:迷うが勝ち
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Sep 10,07 @ 00:50AM
 −進共学園−3人が共に学ぶ場所(公立なのに変な名前かというとすでにその地域の公立高校があったが、一時期生徒が増えたため、学校を増やした。だが少子化に向けて統廃合の意図もある・・・)。といっては言葉がきれいすぎるが、そのままだ。3年の間だけ違っただけで・・・今は同じ学校の生徒なのだ。
 とはいっても肝心のクラス分けはというと・・・できすぎたシチュ!・・・ではなく、A〜F×30あるうち、敦だけ一人という、小学校と変わらない別れ方になってしまった(詳細はというと敦がB組、蘭子と真一はC組。澪は中学生だから別の学校)。
 「・・・これはどう見るべきか・・・」敦はこう漏らす。
 「また小学校と同じかヨ」真一は笑う。
 「まぁ授業以外は遊びに来るから」蘭子は言う。
 学校が変わっても、同じ塾だとか同じ学校だったとかはくっつくものである。
 「中学は、敦は一人だったんだもんね。これからは、私たちがいっしょにいることになるんだから」蘭子がこう言うものの、敦は「たち、か・・・」と少々誤解しかけていた。
 一人で教室に入るのはなれているものである。仲良さそうにしている面子もいれば、一人で読書をしている人もいる。敦は一番右前・・・の1個後ろの席に座った。前の席は・・・誰だろう。「あか」の前なんだからな・・・
 HRじゃあ自己紹介が始まった。入学式はHRの後にやるらしい。時間帯的に親の優しいようにしているためか。
 前の女子は相田加奈(アイダ カナ)というらしい。まぁ印象は悪くは無い。容姿もまずまず、声も透き通っている。
 「赤城敦です。よろしくお願いします。」まぁ普通に。
 といったが刹那、教室がざわめきだした・・・やはりあの事件のこと、知れ渡っちゃってるのかな・・・
 −もしかして、お前あの事件の解決者か−
 「解決者」?さっぱり。同一人物じゃないのか?ざわめいていたので先生が静めた。
 っとまぁそんな感じで自己紹介は終わった。時として「ただの人間には興味ありません」みたいな自己紹介をするやつとかもいたが。

次回・Note5:真相解明と出会い
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Sep 09,07 @ 01:38AM
 −当時12歳 3月23日−
 このときも雨上がりだった。そんな日に、敦は家族3人で出かけていた。雨もやんで、赤い夕日と赤い雲が出ていた。
 環状線(C1)に乗っていたときだった。銀座ランプ・・・突然後ろからすごいエキゾーストノートがすると思ったので、親父は先を譲った。だがそれが選択ミスだった・・・走り屋なのだろうが。
 その前の走り屋が上げた水しぶき・・・それはあまりにも血のように見えた・・・
 ちょっとした坂を超えたあとの鉄柱・・・そこに突っ込むことになったのだ。赤い水しぶきが視界を遮ったのだろう。運が悪すぎた。
 敦はすぐさま車を降りて、両親を助け出そうとしたとき・・・

 車が爆発−炎上したのだ。あまりにも不自然に。あたりに水素でも撒かれていたのだろうか・・・

 敦は呆然としていた。後続を気にしつつも。発煙筒も必要ないので、すぐに救急が来たが、手遅れだった。
 その事故の後続車が、蘭子の乗っていた車だった。立ち尽くしていた敦の姿も目に焼き付いていた−

次回 Note:4 見方の違い
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Sep 08,07 @ 01:55AM
 敦にとってその事件は、精神的にも居所的にも非常につらいことではあった・・・けれども、別に自分を追い込むことは無かった。ただ、やはり学校に行っては殺人扱いにされる・・・弁護してくれる人もいない・・・
 「そんなことがあったんだ・・・だから、私立の進学やめて、公立の方に来たんだ・・・」
 「もともと学校から援助受けてる身だし・・・それでも学費はきついみたいだからな・・・親父はいないし・・・」
 「忘れてはいないよ・・・あんな事故だったもんね・・・」
 「思い出させるな!」
敦が止める。
 「ご、ごめん・・・それにしてもそんな状況でここ受かれたね。他に比べて偏差値も高いのに。学費の安さで入ってくる人も多いし」
蘭子が咄嗟に話を切り替えた。
 「仮にも私立生だからね。『フツー』には負けないし・・・」
 そのときに、後ろから聞こえてきた声は気のせいにしておきたかったであろう。
 「ツ〜バキ〜〜!」「ランコ先輩〜!」
 「あ、真一君にレイちゃん!」蘭子が応対。
 「レイじゃなくてミオですよ・・・」澪が反論。
 「あれ?こいつ誰?いつの間に彼氏なんて作ったの?椿?」真一の暴走。
 「彼氏!?・・・じゃなくて、あっちゃんだよ・・・」
 「あっちゃん?あの小学校で運営委員会で、かつ3人中で抜け駆けをするかのように私立に入学して、そしてエリート街道まっしぐら・・・ってあれ?敦?」真一が暴走から醒める。
 「あ〜赤城先輩ですね?お兄ちゃん覚えてるでしょ?幼稚園から同じ(一度も同じクラスになったことのない)幼馴染。」澪が片付ける。
 そう、敦と蘭子と鈴木真一は、幼稚園と小学校まで同じだった。家も比較的近かった。その中で敦は中学を受験したのだ。
 ちなみに澪は真一の義理の妹である。だから顔も正確もまったく似ていない。
 そして、また高校で3人が同じ。敦以外の二人のいた中学からは、同じ面子はいないらしい。
 これ、なんてできすぎたシチュ?敦はそう思うのだった。

 次回・Note3:清算される過去?(原因不明の事故)
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Sep 07,07 @ 01:21AM
 −当時14歳 12月22日−
 その日、彼は放課後に呼び出されていた。雨上がりの屋上に。彼にとっては一台珍事だった。第一、男子しかいないというのに。
 ただ、少々心当たりがあったかというと嘘ではない。クラスの唯一の友人がどうも瞳に生気がしない・・・
 屋上にきた雨の日に・・・「・・・待ってたよ」−誠一・・・倉田誠一だ。
 「僕、これから自殺するんだ。だから最後に話しておこうと思って・・・」
 「何を言ってんだ!まさかいっしょに逝こうなんて・・・」
 「そんな友人をごみみたいに扱いはしないさ。だからここに呼んでいるんじゃないか」

  −僕はもう一人いるということを伝えるために−

 次の瞬間、彼は塀に向かって走り出した・・・敦もそれを追った−が・・・間に合わなかった。というより足元が滑るから制止したのだ・・・「これが・・・自殺・・・いとも簡単に命を捨てる・・・」
 と、そこで落ち込んでいるのがいけなかった。後ろに性質の悪い野郎がいた・・・
 「お前・・・突き落としたんだな・・・」

 敦はもう、学校には居れなくなってしまった。ただある程度の理性はあって、高校は行かなければと。−転校−むしろ階段進学を止めたと言ったほうが正しいだろう。
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Sep 06,07 @ 00:30AM
 彼にとっては2度目の受験だった。けれども別に2度目は苦ではなかった。彼は進学校に行っていた関係上、普通の中学校よりは半年〜1年近く進んだ内容をやっているのだ。
 彼が卒業するときには必ず何らかの事件が起こる。幼稚園の卒業時には突然の廃園決定、小学校の卒業時には交通事故、中学校卒業時には・・・殺人未遂疑惑。
 つまり何ら不自由ない、むしろ進んだことをやっているはずなのに、ちょっとした事故で高校に進学できなくなってしまったのだ。それで公立高校を受験し、合格。何の問題も無く。

 「あ〜っちゃ〜〜ん!」
 「・・・?」
 後ろを振り返ると、見慣れない(というか女子高生じたい見ない)女子がこちらを向いていた。
 「・・・ラン?・・・んなわけないか・・・」
 「そうだよ〜ランだよ。椿蘭子だよ〜」
 彼女は3年前まで、つまり小学校までの同級生(といっても一度も同じクラスになったことはない)、簡単に言えば幼馴染ということ。
 「その制服ってことは・・・同じ高校!?」
 「あぁ。」
 「そんな俯いてどうしたの?」
 「・・・そうか・・・聞いてないんだよな・・・俺がこの学校にくることになった理由・・・」
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