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【衝撃事件の核心】「高差」「うちこ」隠語は健在…警視庁ネットハンターが狙う闇サイトの“急所” (2/5ページ)
このニュースのトピックス:ネット犯罪
「警察などの指導が厳しくなり、以前に比べて闇サイトは下火になった」
こう語るのは、闇サイトに詳しいフリーライターの渋井哲也氏だ。
しかし一方で、「警察などの指導が入れば入るほど一目では内容が分からず、投稿者と直接コンタクトを取らないと犯罪かどうか分からない書き込みが増える」とも指摘する。
警視庁幹部も「闇サイトの数が増えているのか減っているのかも分からないが、たくさんあるのは確かだ」と話しており、闇サイトの“アンダーグラウンド化”が進んでいるといえる。
犯罪の温床とされながら形を変えて生き延びる闇サイト。一体、どのような経緯で誕生したのか。
「闇の職安」誕生…派遣激増への反発で
一例として挙げられるのが、19年8月の名古屋女性会社員殺害事件で最も有名になった闇サイト「闇の職業安定所」だ。
渋井氏によると、闇の職安は闇サイトの中でも初期のころのもので、初めてネットに登場したのは12年ごろという。現在も同名の掲示板があるが、まったくの別物とされる。
当時は11年の改正労働者派遣法施行で、建設、港湾運送、警備などを除いて派遣労働が原則自由化され、非正規雇用者が激増していた時期だった。
闇の職安の管理人とメールでやり取りをしていたという渋井氏は、闇の職安ができた経緯について「管理人は雇用が不安定な非正規雇用の増加に不満を持っていた。なかなか正規のルートで就職できない人や、その日暮らしですぐにお金が必要な人のために掲示板を作ったようだ」と解説する。
掲示板では管理人の思いに反し、開設後すぐに犯罪の共犯者募集や就職希望者を狙ったウソの採用募集などが書き込まれるようになった。管理人はその都度、書き込みを削除したり、投稿者の情報を警察に伝えたりするなどして秩序を保とうと努め、「悪い人間は少数」と話していたという。