ロンドン(CNN) 5月6日の総選挙を控えて遊説中の英ブラウン首相が、65歳の女性を「偏屈女」とののしった発言がマイクに拾われて騒ぎになり、首相は28日、この女性の自宅を訪れて謝罪した。
ブラウン首相の問題発言は、遊説先で英国の国債や税金、移民政策をめぐり、ジリアン・ダフィーさんと論議になったことが発端だった。
移民政策は、移民人口が増加するなか住宅や学校、雇用などのバランスは悪化していることから、選挙の論点のひとつとなっている。
ダフィーさんとのやり取りの後、車に乗り込んだブラウン首相は、側近に「災難だった」「あんな女とやり合いたくなかった」と述べたうえで、「あんなのは偏屈女だ」とこぼした。ところが、ブラウン首相にはまだラジオのマイクが付いたままになっており、この会話が拾われてしまった。
これを聞いたダフィーさんは不在者投票用紙を破り捨てて総選挙では誰にも投票しないと宣言、ブラウン首相に謝罪を求めていた。
28日、イングランド北西部ロッチデールの自宅にダフィーさんを訪れたブラウン首相は、報道陣に「今回の出来事を恥じている。彼女には心から謝罪した。私は彼女の発言を誤解しており、彼女も誤解があったことを受け入れ、私の謝罪を受け入れてくれた」と語った。
昨年英政府が発表した試算によると、現在約6000万人ほどのイギリスの人口は今後25年間で7000万人程度に増加する見込み。人口増加のうち3分の2を新たな移民や移民の子が占めると予想されている。