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きょうのコラム「時鐘」 2010年5月3日
「ベルギーでブルカ禁止」。先の本紙外信面にこんな記事が載った。イスラム教徒の女性が全身を覆う衣装「ブルカ」や「ニカブ」を禁止する欧州の動きを伝えている
顔が見えないとだれか分からず治安に問題があるから禁止するという。フランスではこんな話もあった。イスラム教徒で外国籍の男がフランス人の妻に「ブルカ」着用を強制した。男性は仏国籍取得を請求中だったが、仏移民相はこれを拒否したという 国民が守るのは、国家か宗教か民族か。国の法律より宗教的な戒律や民族の習慣を優先させることもある。移民や出稼ぎが増える今日、各国で国民の多様化が進み、法治国家の常識をあらためて考えさせる事態が起きている 日本も例外ではない。永住外国人への地方参政権問題もその一つだろう。子ども手当も同じ根っこが見える。在留外国人に支給して、海外在住の日本人の子どもに支給はないのか。かつては単純だった問題が複雑にねじれている 「国際化」を、こんな形で迎えるとは思いもしなかった。国民の条件とは何か。法律とはだれのものか。憲法記念日に考えてみたい。 |