【トホホ取材記】 当コラム「トホホ取材記」はスタートして間もないのだが、「トホホ」な事件が起きてしまった。出会い系サイトで知り合った女性やデリヘル嬢とのHシーンを北海道内のラブホで撮影し、そのDVDをネットオークションで販売していた北海道の男性会社員(33)が4月26日、警視庁世田谷署に現行犯逮捕された。
同署によると、警視庁保安課がサイバーパトロールでこのDVD販売の事実を確認し、世田谷署が捜査を進めていた。問題のDVDを購入し、内容を確認するなどして捜査を着々と進めたうえで、捜査員が北海道帯広市の男の自宅に行くと、わいせつDVD27枚を所持していたうえ容疑を認めたので、わいせつ図画販売目的所持の容疑で現行犯逮捕し、飛行機で世田谷署まで同行させたという。
男は「生活費にするためやった」などと供述しているようだが、驚きなのは、カメラを三脚などで固定し、自らの顔を晒して出演している点だ。
DVDの内容は「過激なもので、あなたが想像している通りのものです」(世田谷署)とのことで、もちろんボカシなしの「裏モノ」。
こんなものをオークションサイトで販売すれば、たとえそれがプライベートな映像だろうが画像だろうが、お縄になることは子供でもわかるし、さらに自分の顔が写っているとなれば、言い訳すら効かない決定的な証拠になってしまうわけで、この幼稚さ、稚拙な犯行はいったい何なんだろうと首をひねってしまう。
撮影された痴態を販売されてしまっていた女性被害者の数は、男の供述によると「10〜15人」に上るそうだ。だが、彼女らに自分の写ってしまっているDVDが販売されていた事実が伝えられるのかといえば、それは「被害者女性が特定できれば連絡する可能性はあるが、出会い系サイトやデリヘルで知り合った男に、『私はここに住んでいる』などと住所や連絡先を教える女性もいないだろうから、難しいだろう」(世田谷署)とのことだった。納得。
「知らぬが仏」という言葉があるが、こういった場合、被害者の女性たちは知らない方が幸せなのだろうか。
ちなみに、供述によると、女性たちはHの撮影については同意していたそうだが、販売されることは知らされていないという。
供述がどこまで真実なのか、それは今後の捜査で明らかになっていくだろうが、女性たちが同意の上で気軽に撮影させてしまっていたとしたら、それはそれで「トホホ」な事実である。(佐藤修)