西岡にエースの「自覚」、長谷川にもエール

サングラス姿で会見した西岡は本紙を手にガッツポーズ

　Ｖ４から一夜明けたＷＢＣ世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃（３３）＝帝拳＝は１日、長谷川穂積（２９）＝真正＝の再起にエールを送り、日本ボクシング界を背負って立つ自覚を示した。

　浮かれた雰囲気はなかった。西岡は大きめの黒のサングラスを付けて東京・神楽坂の所属ジムで会見。長谷川が敗れ、日本のエースとして期待される存在になったことを聞かれ「全く考えてなかったけど、そういう立場だと自覚している」と静かに語った。

　勝利の余韻が漂う控室のテレビで長谷川がリングに沈む姿を見た。５度目の世界挑戦で王座を奪取した過去を持つ者として「本当に苦しいと思うけど、２９歳だし、まだまだできる。必ず雪辱できるし、してほしい」と長谷川にエールを送った。

　初防衛から４連続ＫＯ勝利は国内最多記録となったが、まだ飽き足らない。「インパクトのあるＫＯを積み重ねて、圧倒的な強さを見せつけたい」。５度目の防衛戦はＷＢＣ世界スーパーバンタム級１位のマンロー（英国）との指名試合が有力だが、「ファイター寄りの手数の多い選手」とリサーチ済み。世界へのアピールがエースの証明となる。

　一両日中に熱で試合観戦に来られなかった長女・小姫ちゃん（４）が待つ兵庫に帰る。日本のエースは英気を養い、来る戦いに備える。