【経済】リニア開業、2年延期 JR東海が再試算2010年4月29日 朝刊 JR東海は28日、リニア中央新幹線を東京−名古屋間で2025年に開業させるとしていた目標を2年遅らせ、27年にすると発表した。最終的には45年に大阪まで開業させる計画で、5月10日に予定される交通政策審議会(国土交通相の諮問機関)で説明する。同社は建設、営業主体に選ばれれば、14年度に着工する方針。山田佳臣社長は会見で「今の時点の前提に置き換えて試算した結果だ」と述べた。 全額自己負担で建設する計画を発表した07年12月当時より景気が悪化していることに加え、審議会では実現を目指す上で説得力のある意見を求められることから試算し直した。高速道路新料金の影響も加味した。 今回は、06年度から10年度の営業収益(単体)の平均値、1兆1960億円を基に計算。これに安全輸送に必要な設備投資や名古屋までの建設費(約5兆1000億円)、大阪までの追加分(3兆3400億円)などを加味し、名古屋開業を27年とはじいた。 名古屋開業直後の経常利益見込みも約700億円から630億円に下方修正し、大阪開業直後では500億円とみている。長期債務残高は名古屋開業時で5兆円程度まで増えるが、旅客収入は5〜10%増えて、10年3月期の水準(3兆1735億円)まで減らせるとみている。
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