【コラム】起亜自工場長の解雇(上)

 現代自動車の中国・北京工場を訪問した際、案内してくれた工場関係者は、「今年は生産能力の120%達成を目標にしています」と意欲を語った。この工場の年間生産能力は60万台だが、今年の目標を67万台に設定している。これまでは1日20時間の稼働が限界とされ、昼夜2交代方式を取っていた。しかし現在は、毎日2時間延長して、月曜日から土曜日まで1日22時間稼働させている。2組が昼夜2交代で勤務していたのを、3組2交代制に変更し、今年は70万台にまで生産を増やす方向で検討しているという。こうした生産性向上のペースはまさに驚異的だ。

 これだけではない。北京工場は二つのラインで8車種を同時に生産しているが、販売店からの注文が入れば、すぐに必要な台数を生産する。そのため、中国に進出しているトヨタやホンダよりも早くて正確だという。

 ところが、韓国国内にある現代自の工場は事情がまったく異なる。韓国では一つのラインで2種類の車を生産するだけでも大きなニュースだ。車種ごとの生産台数を調整するには、「労働組合に頼み込んでも実現するかどうか」という具合だ。

 最近の現代自韓国工場における最大の話題は、起亜自で最大の生産規模を誇る華城工場のK工場長(副社長クラス)が突然解任されたことだ。現代・起亜自の広報室は、「K工場長が無労働・無賃金の原則を労働組合にしっかりと適用せず、裏取引を行おうとしたため」と解任の理由を説明した。しかし起亜自華城工場の関係者によると、これは事実に反するという。会社側が「裏取引」を行ったとしてK工場長に追及した点については、これが原則から外れたものとは考えにくい。つまりK工場長は法律と原則に従って行動していたが、これが原因で組合から恨みを買って生産に問題が生じると、会社側がK工場長を犠牲にしたというのが事の真相だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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