人民元、韓中日の貿易決済通貨に急浮上(上)

 中国の人民元が韓中間の貿易決済通貨としてデビューした。日中貿易でも人民元による決済が行われており、東アジアを中心に人民元が主要決済通貨に浮上する動きをみせている。

 ウリ銀行は29日、中国法人の中国ウリ銀行が先月、人民元決済業務の認可を取得したことを受け、コーロングループの衣料・レジャー用品部門、FnCコーロンが人民元で貿易代金を決済したと発表した。

 FnCコーロンの中国・上海現地法人は28日、韓国の衣類輸出業者からのゴルフウエアの納品を受け、代金として人民元建てで20万元(約275万円)を支払った。

 FnCコーロンは、普段から韓国の中小衣類業者との取引が多く、これまでは代金を米ドル建てで送金してきた。しかし、取引代金の3%近い為替手数料が少なからぬ負担となっていた。同社関係者は「現地で人民元建ての売り上げが立っても、ドル建てで支払わなければならないため、(人民元をドルに換える)為替手数料を負担しなければならず、為替差損に対する懸念があった。今後も人民元決済を続ける考えだ」と説明した。

 人民元による貿易決済は、韓国のウリ銀行が中国ウリ銀行上海支店に開設したデポ・コルレス口座(外国為替当座口座)を通じて行われる。中国の取引先がこの口座に人民元建てで送金すると、韓国のウリ銀行はこの資金を韓国にある企業に人民元建てで支払う仕組みだ。中国ウリ銀行の金禧泰(キム・ヒテ)行長は、「人民元で決済代金を受け取った韓国の輸出業者も満足している。人民元は為替レートが安定しており、ドルやユーロに比べ、為替リスクが低いことが強みだ」と説明した。

 これに先立ち、日本でも24日、日中貿易で初めて、人民元決済取引が行われた。三菱東京UFJ銀行はインキ最大手のDIC(旧大日本インキ化学工業)の中国現地法人から日本本社への代金支払いで人民元決済を採用した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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