哨戒艦沈没:「世界は北の挑発を防ぐことはできない」

 「現在の韓国は、額に銃痕を残した状態で死んだ人を見て、死因が心臓マヒである可能性を排除しないCSI(科学捜査隊)捜査官のようだ。理由は、その部屋に銃を所持した犯人がいるが、その人物が暗黒街のボスだからだ(捜査官が暗黒街のボスを恐れているという意)」

 米国の時事週刊誌『タイム』電子版は28日(現地時間)、哨戒艦「天安」の沈没事故について報じ、ヘリテージ財団のブルース・クリンナー先任研究員の発言を引用した。同誌は「暴力団という比喩は、過去20年間における北朝鮮と世界の関係を表すもの。『金正日(キム・ジョンイル)株式会社』がソウルを爆撃しない限り、韓国や米国、周辺諸国は北朝鮮の挑発を防ぐことはできない」と指摘した。

 同誌は「一部では“制限的な軍事目標打撃”などを主張しているが、韓国が先に軍事的衝突を起こす可能性はほとんどない。韓国社会がどんなに大きな怒りと深い悲しみに打ちひしがれても、軍事行動を支持する世論は形成されないだろう」との見方を示した。

 続けて、「韓国が活用できる非軍事的な制裁手段は限られている」と分析した。経済制裁の場合、既に金剛山観光は08年から中断しており、対北食糧支援も行っていない。開城工業団地は逆に、北朝鮮が閉鎖すると脅迫している。一方、中国が対北制裁を行う可能性もほとんどない。

 加えて「ブッシュ前政権初期から世界は、北朝鮮と戦争する意思はなく、これは現在も変わらない。6月25日に韓国戦争(朝鮮戦争)勃発60周年を迎えるが、まだ決して戦争は終わっていない」と報じた。

金旻九(キム・ミング)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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