哨戒艦沈没:悲しみに沈んだ全国、焼香所に70万人(上)

 哨戒艦「天安」沈没事故で犠牲となった46人の勇士の告別式が始まった29日午前10時、全国にサイレンが鳴り響き、国民の心は揺れた。弔問に訪れたり、家庭や職場で中継を見つめたりした市民たちは、一斉に静かに頭を下げ、犠牲者に黙とうをささげ、苦痛の中で亡くなった若者の霊を慰めた。

 「青春の美しい翼を海に沈めて旅だった君よ、この世ではばたけなかった翼をあの世で広げてほしい」

 ソウル市中心部のソウル広場に設けられた合同焼香所には、同日も喪服姿の会社員、白髪の高齢者夫妻、親子連れが相次いで弔問に訪れた。白い菊の花を胸に遺影の前に立った市民は、勇士たちの姿を直視することができなかった。

京畿道平沢市の韓国海軍第2艦隊司令部安保公園で29日午前、哨戒艦「天安」沈没事故の犠牲者の告別式が行われ、会場には46人の勇士の名前、遺影、位牌が並べられた。/写真=崔淳湖(チェ・スンホ)記者

 司会者は静かな声で、「犠牲となった『天安』の46人の勇士に敬礼、一同黙とう-。大事な命をささげた勇士たちよ、大韓民国はあなたたちを永遠に忘れない。国を守った戦士よ、西海(黄海)の海原での苦しみと悲しみをすべて忘れ、静かに眠りたまえ」と祈りをささげた。

 肩を震わせて涙を流した元兵士たち、悔しさに感極まったおばあさん、そして、空を見つめ、悲しみをぐっとこらえていた海軍出身の会社員は、若い水兵の挙手敬礼を受けると、目から大粒の涙をほとばしらせた。

 妻と共に焼香所を訪れたソウル市九老区のイ・チャンヨンさん(68)は、「『天安』の勇士たちの犠牲を忘れてはならない。こんな出来事を経験しても、政府が特段の政策を取らず、第二、第三の『天安』事故が起きるとすれば、それはもう国とは呼べない」と話した。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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