李大統領、上海できょう韓中首脳会談

 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は30日、上海で中国の胡錦濤国家主席と首脳会談を行う。会談は当初、友好関係を確認するソフトな内容となるはずだったが、哨戒艦「天安」の沈没事故が急きょ重要議題に浮上した。

 今回の首脳会談は、胡主席が上海万博の開幕式に出席する各国首脳と行う会談の一環で、会談時間も30分間に限られている。正式な首脳会談ではなく、「簡易会談」という位置づけだ。

 しかし、李大統領にとっては、6回目となる胡主席との会談の中で、最もプレッシャーを感じることになりそうだ。「天安」の沈没原因が判明後、李大統領が取る「断固たる措置」の効力は、中国がどんな態度を取るかによって大きく左右されるためだ。北朝鮮と血盟関係にあり、6カ国協議の議長国でもある中国は、米国や日本とは異なり、今回の事故に対する立場表明に消極的だ。米国は中国に「責任ある役割」を取るよう勧告したが、中国外務省は「『天安』の沈没は不幸な出来事だった」(20日)、「関連する問題が適切に解決されることを確信している」(27日)と表明するにとどまっている。

 李大統領は今回の会談にそれほど大きな期待をかけてはいない。韓国大統領府(青瓦台)関係者は、まだ事故原因をめぐる調査結果が出ていない状態で、結果を仮定し、北朝鮮問題を中国と協議するのは時期尚早と判断している。しかし、李大統領は事故原因について、国際的、客観的、科学的な調査を進めている点を強調し、テロに対する国際協調という側面で、今後協力を求めていく方針とされる。

 胡主席がそうした原則論に対し、共感を示し、犠牲者を慰める意思を表明するだけでも、現時点では収穫と言える。問題は胡主席があらかじめ準備してきた文言にどれほどの真実性があるかだ。

 李大統領は2008年5月、胡主席と初の首脳会談を行い、両国関係を「戦略的協力パートナーシップ関係」に格上げすることに合意した。両首脳は今回の会談で、戦略的協力パートナーシップ関係の強化策を話し合う予定だ。「天安」沈没事故でどれほどの共通認識が形成されるかは、両国関係が真に「戦略的」な形に変わったかどうかを見るバロメーターとなる。また、韓中自由貿易協定(FTA)の推進速度も両国の戦略的思考にかかわる議題だ。

 李大統領は上海万博会場で、韓国の万博出展としては過去最大規模となる「韓国館」の開館式に出席するほか、現地在住韓国人との懇談会などを予定しており、1日夕に帰国する。

朱庸中(チュ・ヨンジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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