統制権:「移管は2019年に延期すべき」

「統制権」セミナーで提起

 2012年4月に予定されている戦時作戦統制権(統制権)の移管時期を2019年に遅らせるべきだ、という主張が提起された。

 国防大学のホン・ソンピョ教授は29日、「統制権移管、このままで良いのか」をテーマとするセミナーで、このような発言を行った。同セミナーは、世宗研究所、国会東北アジア平和安保フォーラム、韓国国防研究院、韓国国防安保フォーラム(KODEF)などが共同主催し、本紙が後援、戦争記念館ミュージアム(ソウル市竜山区)のウエディングホールで行われた。

 ホン教授は、「本来は2012年の統制権移管後も、空軍の作戦に関する限りは在韓米空軍が統制権を行使することで合意していた。空軍の統制権移管時期を判断するため研究してみたところ、2019年がふさわしいという結果が出た」と語った。その根拠としてホン教授は、「2019年には、韓国軍が戦略情報能力を含む対北戦争抑止能力を備えることが可能となり、その間に6カ国協議を通じ、北朝鮮の核や大量破壊兵器(WMD)問題が円満に解決されることも可能、また在韓米軍基地の移転も終了している」と語った。

 韓米両国軍は、2012年に統制権が移管されたとしても連合空軍司令部を構成し、空軍の作戦に関する統制権は、当分の間は米軍が継続して有すると合意している。有事の際の空軍作戦の場合、米軍に比べ韓国軍の能力が劣り、当分は米軍に依存し続けなければならないからだ。竜山基地や米第2師団など米軍基地の平沢移転は、2017年ごろまでに完了する見込みだ。

 世宗研究所のイ・サンヒョン博士は、「哨戒艦『天安』沈没事故は、果たして韓国軍に統制権を持つだけの力量があるのか、という疑問を抱かせる。統制権移管延期の世論を広め、適切な移管の時期を再調整する必要がある」と語り、さらに「統制権単独行使は、韓半島(朝鮮半島)有事の際に米軍が介入するかどうかが政治的決定に転換し、自動介入を否定しかねないことを意味する。戦時には米軍が指揮権を有する国連軍司令部のシステムを志向するなど、国連司令部の立場を強化し、米国の自動介入を保障できる装置を講究しなければならない」と強調した。

 韓国国防研究院のキム・グァンシク責任研究委員は24日、韓国の成人男女800人を対象に行った電話調査の結果を発表した。電話調査は「統制権移管の時期に対する立場」に関するもので、調査の結果、回答者全体の48.8%は「安全保障の状況を考慮すると、2012年以降に遅らせるのが良い」と答えた。一方、「自主国防のため、予定通り2012年に移管すべき」という回答は35.8%で、延期すべきとする回答より13ポイント低い数字だった。「よく分からない」と答えた人は15.4%だった。キム研究委員は、「統制権移管以降の安全保障の状況について懸念する韓国国民は、そうではない国民より多い、ということに注目しなければならない」と語った。

ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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