歴代郡守5人に3人が逮捕された和順郡(上)

「夫婦郡守」対「兄弟郡守」、対立の原因とは

 「郡守(郡の首長)たちのせいで、穴があったら入りたいほど恥ずかしい。引っ越すわけにもいかないし…」

 今月27日、全完俊(チョン・ワンジュン)郡守(51)が逮捕された全羅南道和順郡で、住民たちはため息交じりにこう話した。同郡で現職の郡守が逮捕されるのはこれで3人目だ。在宅起訴され、宣告猶予(犯罪事実が軽微な被告人に対し、有罪判決の宣告を猶予したり、有罪を認めるものの、刑の宣告を猶予したりする制度)付きの判決が確定した林興洛(イム・フンナク)元郡守を含めれば、刑事訴追された郡守は4人目となる。地方自治体の首長の公選制度が復活して以降、同郡では5人が郡守を務めたが、このうち一人を除き、全員が検察や裁判所の世話になったことになる。

 4人の郡守にかけられた容疑はすべて、「公職選挙法違反」だ。林鎬景(イム・ホギョン)元郡守(58)は2002年、就任して間もなく公選法違反容疑で逮捕され、大法院(日本の最高裁判所に相当)で懲役刑が確定し失職した。06年には、全完俊郡守の兄のヒョンジュン前郡守(54)が、民主党員約2000人の党費を肩代わりしていたとして、就任から1カ月余りで検察に逮捕され、自ら辞任した。

 同年10月に行われた出直し選挙で、兄からバトンを受け継いだ全完俊郡守は、当選後数回告訴され、検察や警察の取り調べを受けた末、ついに逮捕された。民主党の邑(日本の町に相当)・面(村に相当)青年委員会の委員長や総務担当者ら23人を官舎に招き、38万4000ウォン(約3万2000円)相当の料理や酒などを提供したとして、公選法に違反した疑いが持たれている。

 兄に続いて弟が郡守になり、「兄弟郡守」と呼ばれた全郡守らは、「史上初の兄弟郡守の逮捕」という不名誉な記録を残すことになった。このほか、和順郡議会の議長を務めていた全郡守の長兄(65)も、職員の採用や事業の許認可をめぐる汚職で昨年末に逮捕されている。わずか4年間に3兄弟が逮捕されたことになる。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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