軍幹部装い1億円詐欺、40代男を逮捕 /ソウル

 ソウル中浪署は28日、陸軍の現役幹部や国家情報院幹部を名乗り、軍の取引業者に選定されるように便宜を図るとか、ショッピングモールへの投資をあっせんするなどと持ちかけ、4人から総額12億ウォン(約1億円)をだまし取ったとして、容疑者の男(49)を逮捕した。

 容疑者は、2004年にインターネット上で知り合った同い年の独身女性に「国家情報院勤務の独身男性だ」と詐称して近づき、6年間にわたり同居しながら、ニュータウンやショッピングモールに投資すると偽り、11億ウォン(約9300万円)を詐取した。容疑者は国家安全保障や機密事項を扱っているように見せかけるため、専門書籍を同居先の室内に並べ、女性を信用させていた。

 07年からは、女性が容疑者に買い与えた高級乗用車を乗り回し、今度は偽造した身分証、軍服、階級章などで陸軍准将を詐称。ソウル市中浪区内で同郷者の団体に加入し、軍用品やツルニンジンなどを贈り、身分を信じさせた後、メンバーの男性(42)ら二人に「軍部隊にマッコリ(韓国式濁り酒)を納入できるよう便宜を図るので、必要資金がほしい」などと持ちかけ、約3000万ウォンをだまし取った。容疑者は将軍のリーダーシップに関する書籍を読みふけり、軍幹部らしい言葉遣いや堂々とした姿勢を保つ練習までしていた。

 容疑者は取り調べに対し、「以前から軍にあこがれ、陸軍士官学校の試験を受け、不合格となったことがある」などと話したが、照会の結果、虚偽と判明した。捜査関係者は、「容疑者は同居した独身女性以外に離婚女性ら3人と同時に交際していた。これら女性も被害を受けたが、警察の事情聴取を拒否しており、実際の被害額はさらに大きいとみられる」と説明した。

朴国熙(パク・グクヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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