韓国で100年ぶり「寒い4月末」

4月末の最高気温、観測史上最低記録に

 春になっても冬のような寒い日がたびたびあり、「春らしくない春」が続いている。

 気象庁によると、28日のソウルの最高気温は7.8度で、4月末の気温としては、1907年10月に観測を開始して以来、最も低い記録となった。また、済州道の城板岳にはあられが、冠岳山(ソウル市冠岳区・京畿道安養市など)や広徳山(忠清南道天安市・牙山市)、八公山(大邱市・慶尚北道永川市など)など一部の山岳地帯では雪が降った。

 29日朝も、ソウルの予想最低気温は4度で、風も多少強くなるため、韓国中部の体感温度は零下になる見通しだ。特に江原道の嶺西地方(春川市、原州市など)や山間部、全羅北道北東部、慶尚北道北東部の山間部では雪が降り、ところによっては積もる可能性もあるという。

 気象庁の陸明烈(ユク・ミョンニョル)予報政策課長は、「28日は全国的に曇りとなり、気温がそれほど上がらず、強い風が吹き、さらに中部地方を中心に5-20ミリの雨も降った。こうした天候により、体感温度が1-2度下がったため、冬のような寒さになった」と説明した。これまで、4月下旬のソウルの最高気温としては、1962年4月27日の10.1度が最も低い記録だった。

 ソウル以外の地域では、仁川市の最高気温が8.1度で、1904年8月の観測開始以来、最も低い記録となった。また、京畿道水原市(7.6度)や大田市(6.7度)、天安市(7.3度)などでも、最高気温が観測を開始して以来、最も低い記録となった。

 このように、4月末に冬のような寒さが続いているのは、26日から寒気が南下し、韓国上空に停滞していることに加え、その東側に発達した高気圧が気流の東進を阻んでいるためだ、と気象庁は分析した。同庁の陳基范(チン・ギボム)予報局長は、「3月以降は地表の熱で寒気が弱まるのが普通だが、今年は異常な寒波により、シベリア内陸部では雪に覆われ、河川などが凍結する状態が続いている」と語った。

 このため、先月から今月20日まで、韓国の最高気温の平均は、平年に比べ1.6度も低くなっており、昼間の気温が低いために日照量が不足する現象がみられている。また、寒気が韓国の北側の上空に停滞し、その下に低気圧が発達しているため、たびたび雨を降らせている、と気象庁は説明した。

 この寒さは29日の正午を境に、次第に弱まるとみられ、今週末からは平年並みの気温になる見通しだ。

金成謨(キム・ソンモ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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