哨戒艦沈没:虚勢を張っている間に一撃(上)
「中国や日本に対抗して大洋海軍を」と虚勢を張っている間に足下では…
海軍は2003年、合同参謀本部に対し、「機雷を発見し、これを除去するために特殊哨戒ヘリの導入が必要」と何度も訴えた。韓半島(朝鮮半島)で戦争が起こった際、北朝鮮が鎮海など韓国の軍港周辺に多くの機雷を設置する可能性が高いため、哨戒艦と共に、哨戒ヘリの導入は何としても必要だった。北朝鮮は韓国戦争(朝鮮戦争)当時、元山港に機雷を設置し、米軍艦艇をしばらく接近できないようにする作戦に成功したため、有事の際には機雷を使った攻撃に出る可能性が高い。03年の時点では、哨戒ヘリの導入は10年を目標としていた。
ところが、哨戒ヘリの導入時期は昨年までに2011年、12年、13年と3回も延期された。今年に入ってからは16年以降の導入へと再び延期され、実際の時期がまたも不透明になった。予算が削減された上に、イージス艦など別の艦艇を建造したことで、事業の優先順位で後回しにされたのだ。イージス艦の建造費は1隻で1兆ウォン(約840億円)を超える。
哨戒艦「天安」の沈没以降、対潜水艦戦力など北朝鮮に対抗する戦力を補完する必要性が改めて指摘される中、これまでの海軍戦力増強の方向性について疑問を投げかける声も、一部では出始めている。これまで海軍は、日本や中国など周辺強大国に対抗する大洋海軍の建設に力を入れる一方で、対北朝鮮という観点での戦力整備を怠り、結局は自らの目と鼻の先で一撃を食らう結果になってしまったということだ。
海軍で現在、西海(黄海)上のNLL(北方限界線)を守り、北朝鮮海軍に対抗する中核戦力となっている1200トン級哨戒艦(PCC)や、これよりやや大きい1500トン級護衛艦(FF)も同じ状況にあるという。
1980年代初めごろに海軍に導入された哨戒艦28隻と護衛艦9隻は、建造から25年から30年が経過し、老朽化しているものが少なくない。
イージス艦や韓国型駆逐艦(KDX2)など、天安(哨戒艦)よりも大型で高性能の艦艇が配備されてはいるものの、絶対数が少ないため、今も哨戒艦や護衛艦がNLLなどの海上警備作戦で中核的な役割を担っている。現在イージス艦は1隻(世宗大王)、4500トン級の韓国型駆逐艦(KDX2)は6隻が実戦配備されている。
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