加森観光(本社・札幌、加森公人社長)とRHインシグノ(同・飯島紳社長)は30日、中国企業の大型投資を呼び込み、加森観光が持つ道内のリゾート施設を共同開発する業務提携を行うことを明らかにした。同日、基本合意書を交わし、4月中旬にも契約締結する。中国人の富裕層をターゲットに、リゾートビジネスを積極的に展開するRHの人的ネットワークを活用するもので、加森のリゾート会員権「加森バケーションクラブ」の中国内での販路拡大も図る。RHでは6月ごろにも第一弾の事業をまとめたいと話している。
RHは、消費者金融のアースが前身。現在は昨年8月に100%子会社の北海道元気計画を設立するなど、アジア圏、特に中国の富裕層をターゲットにした滞在型リゾートサービス、ビジネスマッチング創出などを展開している。加森社長と記者会見に臨んだ飯島社長は「5年前に消費者金融から撤退した。2012年までには残高ゼロとなり、業態転換することになる」と話し、今回の提携を「北海道経済の活性化につなげたい」と強調した。
加森社長は、2月には香港や上海の企業グループが、加森の施設を視察したことを明らかにし、相互に施設を利用することで「顧客の交流から始めたい」と話した。具体的には、加森の施設を10年間利用できる権利を1500万円で販売している加森バケーションクラブを「中国内で5年間、750万円くらいで販売し、1000口、75億円は販売したい」意向だ。
資本の呼び込みについて飯島社長は、SPCや投資組合などの設立に言及。複数のグループと折衝を重ねていることを明らかにした。加森社長は「ルスツリゾートも(施設の完成度は)30%くらい、まだ70%残っている。他人の資本を入れていかないと」と話すなど、ノウハウを持つRHの役割と、中国企業の資本投下に期待を表明した。