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【著者に聞きたい】古田博司さん 『日本文明圏の覚醒』 (1/2ページ)
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■女々しさ、優しさは長所
「結局、東アジアをよく知らない人が東アジア文明圏とか言っているんですよ」。日本と中華文明圏は違う。朝鮮・中国の古典を研究して約35年、至った境地は現代版“脱亜論”だった。
主要テーマはアジア主義との決別だ。戦時中の東亜協同体論から現代の東アジア共同体まで、左右のアジア主義者の“同文同種”的幻想に対する批判は一貫している。東アジア諸国はプレモダン(北朝鮮)、モダン(中国、韓国)、ポストモダン(日本)が混在する「異時代国家群」であり、ポストモダンの日本のまともな発展に必要なのは隣国との無理な融合ではなく、「サラッと付きあう」ことだと説く。
ポストモダン期を迎えた日本文明の変化については、率直に肯定する。「草食系男子、何が悪いの。女性的優しさがモダンを抜けて回復してきたということじゃないか」。古来、中華文明圏と隔絶して形成されてきた日本文明圏の長所として評価するのは、まずその女々しさ、優しさだ。