米軍普天間飛行場の移設問題に揺れる鹿児島県・徳之島で2日、全島を挙げた大規模な闘牛大会が開かれた。島民ら約4千人が集まった天城町の闘牛場で、大久幸助町長は「移設案には断固反対する。自然、農地、闘牛を守り、農業と観光で自立できる島にしたい」とあいさつした。
強い日差しの下、最大1トンほどもある牛同士がぶつかり合う取り組みが続き、勝った牛の所有者や家族は「わいど、わいど」の掛け声と、太鼓や指笛、踊りで祝った。
約500年の歴史がある徳之島の闘牛は、若者の参加の多さも特徴。会場で天城町議の前田芳作さん(49)は「騒音で子牛を産まなくなると困るから基地には反対。闘牛がなくなったら、若い連中が島に帰ってこなくなる」。建設業の男性(25)は「島には仕事ないから、お金もらえるなら基地賛成よ。まず条件を聞かないと」と話した。
普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市から訪れた税理士事務所の男性職員(60)は「基地を一部でも受け入れ、痛みを分け合ってもらえれば」とつぶやいた。
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