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【ニューヨーク=山川一基】約1万人の労働者が29日、金融の中心地であるニューヨーク「ウォール街」で大規模なデモを実施した。中・低所得者層は景気回復が実感できない一方で、政府支援を受けた大手金融機関が高額ボーナスを復活させていることなどに不満を募らせている。
デモを率いたのは全米最大の労働団体、米労働総同盟・産別会議(AFL―CIO、加入者約1100万人)。同団体によると参加者は約1万人で、ウォール街に対するデモでは過去最大級という。ニューヨーク市役所前から証券取引所を横目に、プラカードを掲げながら夕方の金融街を縦断した。
参加者は、帰宅途中の金融マンらに対し「ウォール街に自分の起こした混乱の責任をとらせろ」「(金融機関幹部への)ボーナスでなく我々に職を」などと叫びながら行進した。教師のエステバン・ロドリゲスさん(35)は「大手金融機関は政府支援を受ける一方、巨額のカネを使ってロビー活動している。政治を思うままにしようとしていて許せない」と語った。