福岡市の博多湾で同市博多区堅粕、会社員、諸賀(もろが)礼子さん(32)の切断遺体が相次いで見つかった事件で、諸賀さんの腕時計を質入れした同市中央区のアルバイトの男(32)=事件とは別の窃盗容疑で逮捕=が福岡県警の調べに、腕時計を拾ったのは諸賀さんが失踪(しっそう)した直後の3月7日と供述していることが関係者への取材で分かった。
関係者によると、男は3月7日、生活費のため自分のパソコンを市内の質店に入れて店を出たところ、店の前に落ちていた腕時計を拾った。箱や袋には入っていなかった。男は腕時計を持ち帰って数日後に別の質店で質入れしたという。
男は、同市東区の勤務先で昨年、液晶テレビを盗んだとして4月28日に窃盗容疑で逮捕された。容疑については認める一方、諸賀さんについては「知らない」と話しており、腕時計が一連の事件の被害者のものと聞いて戸惑っているという。
諸賀さんは3月5日夜、勤務先から1人で帰宅後に行方不明になった。3月15日以降、同市西区の能古島など博多湾沿いで、切断された遺体が相次いで見つかっている。
毎日新聞 2010年5月2日 西部朝刊