テレビドガッチ


インタビュー

INTERVIEW190 仲間由紀恵&阿部寛

『トリック』の魅力とは?

『トリック』はミステリーが基本にあるものの、小ネタがそこかしこに仕掛けられ、コメディ的な要素が色濃く、他の作品と一線を画す光を放ってきた作品です。その世界観に対し、主演のお二人はどんな印象なのでしょうか? 知られざる『トリック』の魅力や想い入れなどを率直に語ってもらいました。

―― 長い間愛され、支持され続ける『トリック』の魅力をお二人はどのように感じていますか?


仲間: 『トリック』は、本当に独特です。最初は顔半分しか映っていないカメラアングルも衝撃を受けましたし、沈んでいるダークなシーンの中にギャグが混ざったりと、他のドラマでは考えられないようなことがたくさんありました。でも最後はすごく叙情的で、だんだん引き込まれていくような魅力があります。セットに関しても、上田の新刊や習字の文字など“小ネタ”も散りばめられていて、私は美術さんが考えてくださる「看板ネタ」が好きなんです。撮影前にネタは聞いていないので、そういうのを見つけながら進める撮影はとても楽しいです。監督の言葉で言うと「宝箱」のような楽しみがたくさん詰まった作品ですね。

阿部: 監督がよく、「『トリック』は実家だよ」って言うんですけど、何かホッとできる作品なんだと思います。レギュラーの登場人物は少なくて、ゲストの方が毎回登場するのにアットホーム。それに加え、ギャグや面白いネタが詰まっている、本当に「宝箱」のような作品。それを発見できる楽しさもあって、10年間も愛され続けたんじゃないのかなと思います。

―― お二人にとって『トリック』という作品は、どんな存在ですか?


仲間: 私にとっては、初心に戻って挑む修行の場所であって、厳しい現場です。堤組の現場には監督独特のスピード感やテンポがあって、最初はそれについていくのが私の最大の課題でした。謎解きの長いセリフも、普通に落ち着いてゆっくり言えば大丈夫かもしれませんが、あのワサワサした現場ではすごく集中力と対応力が必要です。それは10年経った今も変わっていませんが、最近はチャレンジするのが楽しみになってきました。

―― 阿部さんはいかがですか?


阿部: やはり、最初は僕も堤監督の作品に出るということで、どういう風に演じようかとか考えるだけで精一杯でした。そんな時でも仲間さんは、撮影が終わった夜中に手品のトレーニングもあって大変でしたよね。

仲間: やっていましたね(笑)。

阿部: 朝6時起きが何日も続いたり、とにかく体力的には目一杯でした。でも10年間で何作かやらせていただくうちに徐々に慣れてきて、第1部では朝4時までかかった撮影も、第2部では24時前に終わるようになって……。

仲間: すごいことですよね、ちょっと奇跡的(笑)。

阿部: 第3部になったらもっと早く終わるんだろうなって思っていたら、監督の勧めてくるギャグが多くなって、また大変になりましたけど(笑)。そうこうしながらも、監督の作る世界を楽しめるようになっていって、10年間つねに面白いことに挑戦してきた感じがしますね。


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