和解金などは、旧国鉄職員の年金支払いなどに充てられている支援機構の特別会計「特例業務勘定」から支出する。同勘定には1兆3千億円を超える利益剰余金がある。
4党案は雇用について、JR北海道、九州を中心に200人程度の採用を要請するとしていた。しかし、JR各社は「法的に解決済みの問題」などとして採用拒否の姿勢を変えていない。
和解金について国労幹部は8日夜、「提示を受けた後、関係団体が集まって協議し、対応を決めたい」と述べた。
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〈JR不採用問題〉 中曽根内閣が行革路線の核として進めた1987年4月の国鉄分割・民営化で、JRに採用されず、国鉄清算事業団に残って職場への復帰を求め続けた1047人が90年4月に解雇された。国鉄労働組合(国労)などは地方労働委員会に救済を申し立て、各地労委は87年にさかのぼる採用などをJR側に命令。中央労働委員会も北海道や九州の事件で(1)一部は不当労働行為が成立し、責任はJRにある(2)「相当数」を3年以内に就労させる、などとする救済命令を出した。しかし、03年の最高裁判決はJR側の使用者責任を否定。自民党などによる政治決着も失敗し、組合員側は事業団の業務を引き継いだ鉄道建設・運輸施設整備支援機構を相手に、損害賠償などを求める訴訟を続けてきた。