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辺野古に桟橋滑走路、徳之島へ最大1千人移転も 首相案

2010年4月29日4時0分

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 鳩山由紀夫首相は28日、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設案を固めた。鹿児島県徳之島の既存の空港と、沖縄県名護市辺野古沿岸に「桟橋方式」で新たに建設する滑走路を併用する。首相は5月4日に沖縄県を訪問し、関係自治体への働きかけを本格化させるが、実現は極めて困難だ。

 政府関係者によると、首相案の概要は(1)徳之島空港(鹿児島県天城町)の2千メートルの滑走路を利用。周辺を一部埋め立てて、ヘリコプターの格納庫や兵舎などを建設。普天間のヘリ部隊約2500人のうち最大1千人を移すか、訓練を移転する(2)辺野古沿岸部を埋め立てる現行案に代わり、海底にくいを打つ桟橋方式で1800メートルの滑走路を建設する(3)米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)で行われている外来機の発着訓練を鹿児島県内の無人島や、本土の自衛隊基地に分散移転させる――という内容。

 首相は28日、北沢俊美防衛相や岡田克也外相ら関係閣僚と相次いで会談し、こうした案を固めた。沖縄県の負担の軽減を重視して、海兵隊のヘリ部隊は、できるだけ徳之島に移転させる考えだ。しかし、地元の反発が激しい上、普天間から200キロも離れているため、米国も難色を示している。

 国外移設を主張している社民党は辺野古への新基地建設にも反対しており、連立3党が合意できる「政府案」としてまとめられるメドはない。首相が期限としている5月末までに決着できず、首相の進退を問う声が高まる可能性もある。

 首相はこの日午前、徳之島出身の有力者である徳田虎雄元衆院議員と東京都内で会談。首相は移設案の概要を説明。沖縄県内に集中している訓練を本土に分散する考えも伝えた。

 これに対し、徳田氏は受け入れは困難との考えを示した。首相からの要請で、徳之島の3町長との会談を仲介することは受け入れたが、3町長側は移設受け入れ反対の姿勢で一致している。

 一方、首相は大型連休中の5月4日、就任後初めて沖縄県を訪問し、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事や関係自治体の首長らと会談し、移設案を説明する。

 辺野古沿岸を埋め立てる現行案を「自然への冒涜(ぼうとく)」と批判した首相は、くい打ち工法に修正すれば環境破壊が軽減されるとして、理解を求める考えだ。現行案の修正であれば米国も交渉に乗ってくると見ている。ただ、辺野古を抱える名護市の稲嶺進市長は「海にも陸上にも新しい基地をつくらせない」と主張しており、理解を得るのは困難だ。ヘリ部隊の一部の徳之島移転が実現したとしても、基地機能の多くが県内に残ることになる。昨年の衆院選で「最低でも県外」と訴えた首相が、「約束違反」との批判を受けるのは必至だ。

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