連合宮崎を中心に民主、社民両党県連などで構成するCNP(クリエート・ニュー・ポリティクス)会議は27日、次期参院選で民主県連が擁立する渡辺創氏(32)支援で共闘態勢を取ることで合意した。民主党本部は近く渡辺氏を公認する見通し。
これに合わせて社民県連の鳥飼謙二代表は、社民系独自候補の擁立断念を表明した。
宮崎市で会見した連合宮崎の横山節夫会長は「政権安定のために反・非自民勢力で結集したい」と述べた。
労働組合を核にしたCNP会議は、国政選挙で無所属候補を連携して支援し、保守勢力に対抗してきた。政権交代を実現させた昨年の衆院選後、民主県連が参院選で初の公認候補擁立方針を掲げたことなどに社民が反発したため、共闘態勢の構築が遅れていた。社民県連は26日の幹事会で「自公政権に戻すわけにはいかない」との認識でまとまり、渡辺氏の支援を了承した。
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■解説
参院選に向けた民主、社民両党県連の共闘態勢が整ったのは、ともに単独ではまだまだ自民党に組織力で及ばないのが現実だからだ。
1~3区ですみ分けた昨夏の衆院選後、民主、社民両県連の間には溝ができていた。民主県連の井上紀代子代表は、参院選での公認候補擁立を明言。07年に当選した外山斎参院議員の民主入りも重なり、社民県連が抗議する事態に発展した。
党所属の国会議員がいないのに、一方的に民主に奉仕する格好では、社民県連や支持者に不満がたまるのはもっともだ。社民県連の鳥飼謙二代表も「民主との信頼関係は損なわれた」とまで明言した。
しかし、自主投票では議席は遠のく。保守勢力による憲法改正への危機感が強い社民県連の判断は、不満を抱えつつもやむを得ないものだった。
政策論争を通じたそれぞれの支持拡大の努力、候補者選定の際の互いへの配慮が民主、社民両県連の共闘維持には必要だろう。【石田宗久】
毎日新聞 2010年4月28日 地方版