結局は肉体勝負の世界
実際、ラソーダ式のハードワークでつぶれた選手も少なくない、と聞いた。しかし、人生の勝負どころで、適当に骨休めなんてことをしていたら置いてけぼりを食うだけだぞ、というラソーダの考え方も分かる気がする。結局は肉体勝負の世界だから、これしきの練習でつぶれるような選手はしょせん無理、という経験則もあながち的外れではないだろう。
コーチたちと投手交代のタイミングが話題になった。「ノーヒットノーランがかかっていても、100球で交代するのか? そもそも球数で交代するなら監督なんか要らん。投手の状態をみて、行けるようなら120球でも130球でも投げさせればいいし、80球で見切りをつけなきゃいけないときだってある。それが監督の仕事だろ」
「毎朝、鏡を見ろ」
夢と希望を胸に、大リーグの門をたたく若者たち。彼らを集めてラソーダは毎年語る。「朝起きたら毎日、鏡を見ろ。そして鏡のなかの自分に語りかけるんだ。『おまえはやる。絶対できるんだ』ってな」
フィジカルを完ぺきにし、メンタルを100パーセント野球に集中できる状態に保ち、ファンダメンタル(基本)を大事にする。そして自分を信じること――。大きなジェスチャーを交え、口角泡を飛ばして語りかけるラソーダの熱弁に押されて、人生の一歩を踏み出す若者たちは幸せかもしれない。
合理精神と功利主義に染まったかにみえるアメリカ野球だが、その陰ではラソーダのような人たちが「人生は気合いだぁー」という精神主義の火をともし続けている。アメリカンドリームのため、それこそ馬車馬のように走り続けてきた人々。古き良き時代をしのばせるもう1つのアメリカがここ、マイナーリーグに残っている。
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やました・だいすけ 1952年3月5日生まれ、静岡県出身。慶大で東京六大学の首位打者となり、74年大洋(現横浜)に入団。華麗かつ堅実な名遊撃手として、76年から8年連続ゴールデングラブ賞受賞。98年の横浜の優勝時はヘッドコーチを務めた。2003年から2年間、監督に。守備の技術の伝授を請われ、09年からドジャースで若手の指導にあたっている。
ドジャース傘下のマイナーチームのコーチを務める元横浜ベイスターズ監督、山下大輔氏(58)が、2年目のシーズンを米・アリゾナで迎えた。キャンプで認められ、順調にアメリカンドリームの階段を上っていく者が…続き (4/30)
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