福岡市の博多湾で同市博多区の会社員、諸賀(もろが)礼子さん(32)の切断遺体が相次いで見つかった事件で、諸賀さんの腕時計を質入れした同市中央区のアルバイトの男(32)=事件とは別の窃盗容疑で逮捕=が、福岡県警の調べに「腕時計を拾ったのは(時計を換金した)質店の前」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。県警は供述が不自然とみて、入手状況などを更に詳しく聴いている。
県警によると、男は同市東区の勤務先から液晶テレビを盗んだとして4月28日に逮捕された。更に、諸賀さんが行方不明になった3月5日以降、県内の質店で腕時計を換金したことも分かっており、県警は腕時計の入手経路について追及。捜査関係者によると、男は一連の事件への関与を否定し、詳細についてはあいまいな話を繰り返しているという。
事件では、3月15日に同市西区の能古島に下腹部の遺体が漂着して以降、博多湾内で両腕、胴体、頭部の遺体が次々と見つかった。失踪(しっそう)時に身につけていた衣服やアクセサリー、携帯電話などは見つかっていない。
毎日新聞 2010年5月1日 西部朝刊