時給3000円、大学非常勤講師の厳しい現実

 人文学系の博士号を持っているAさん(39)は、かばん一つで全国をめぐる非常勤講師生活を8年間続けている。地方の大学で講義がある日は、明け方からソウル駅の待合室に座り、のり巻きで朝食を済ませ、講義の準備をしてから列車に乗り、大学に着くと3時間連続でマイクを握る。

 しかし、新刊書籍1冊を買うのも厳しい生活だ。時給3万ウォン(約2500円)程度で、年収は600万ウォン(約50万7000円)以下。Aさんは「塾講師から家庭教師、翻訳まで、できる仕事はなんでもやった」と打ち明ける。

 先月30日、大学情報サイトによると、4年制の一般大学186校の非常勤講師の給料の平均は、1時間当たり3万6400ウォン(約3000円)だった。最高額は、尚志大(6万4300ウォン=約5400円)、最低は新京大(2万ウォン=約1700円)だった。3万ウォン以下の大学は42校に達している。

 アルバイト紹介サイト「アルバロ」が集計したアルバイトの時給と比較すると、イベント補助(最高2万5000ウォン=約2100円)、リサーチ要員(2万ウォン)を少し上回り、テレマーケティング(1万ウォン=約850円)や駐車場管理員(9000ウォン=約760円)より3、4倍高い水準となっている。

 しかし、非常勤講師は講義の準備に多くの時間を割かなければならず、1科目当たり1週間に3、4時間程度しか講義ができないため、実際の収入はアルバイトよりも少なく、生活の維持が困難な水準だ、と講師たちは主張している。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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