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2010.05.02
韓国国防相 「軍艦沈没させた勢力懲らしめる」 本日、テレビ放送
カテゴリ韓国出典 読売新聞 5月2日 朝刊
記事の概要
韓国の聯合ニュースによると、韓国の金泰栄国防相は1日、3月に黄海で起きた韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事故に関し、韓国KBSテレビの番組収録で、「確実な真相究明を通じ、将兵たちを殉国させた勢力について、懲らしめなければならない」と発言した。
金国防相は韓国軍トップの金盛賛参謀総長が4月29日、哨戒艦沈没の犠牲者の告別式で行った弔辞で、「我々国民に苦痛を与えた勢力が誰であろうと、決して座視しない。より大きな対価を必ず支払わせる」と述べたことについて、「同意する」と明言した。
沈没原因が魚雷攻撃を受けたためと判明したとしても、北朝鮮の関与を立証するのは難しくないかとの質問には、状況証拠を通じ、ある程度、真実に近い判断が可能との見方を明らかにした。
この収録番組は2日(本日)に放送される。
韓国の聯合ニュースによると、韓国の金泰栄国防相は1日、3月に黄海で起きた韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事故に関し、韓国KBSテレビの番組収録で、「確実な真相究明を通じ、将兵たちを殉国させた勢力について、懲らしめなければならない」と発言した。
金国防相は韓国軍トップの金盛賛参謀総長が4月29日、哨戒艦沈没の犠牲者の告別式で行った弔辞で、「我々国民に苦痛を与えた勢力が誰であろうと、決して座視しない。より大きな対価を必ず支払わせる」と述べたことについて、「同意する」と明言した。
沈没原因が魚雷攻撃を受けたためと判明したとしても、北朝鮮の関与を立証するのは難しくないかとの質問には、状況証拠を通じ、ある程度、真実に近い判断が可能との見方を明らかにした。
この収録番組は2日(本日)に放送される。
コメント
洋上の艦船が魚雷の攻撃を受けると、命中した魚雷の爆発ガスは正面だけに向かって放出される成形炸薬(HEAT)である。
そのため、艦艇の外殻(船底)に穴を空け、さらに内部に入った高温・高圧の爆発ガスは艦船の内側の隔壁を破壊する。また、命中箇所が喫水線下のため海水が船内に入り、バランスを崩して沈没することになる。
だから1本の魚雷でも、空母のような大型艦船に致命的な破壊をもたらすことが可能になる。それが小型の哨戒艇であるなら、命中後、船室から逃げ出す間もない短時間で沈没しても不思議ではない。
哨戒艇「天安」は引き揚げ揚げられているので、その破壊状況から魚雷か機雷の区別は容易である。魚雷は機雷と違って成形炸薬だからである。破壊の形状が明らかに違う。
また考えられる魚雷は、命中箇所がスクリュー付近と聞いたから、音響ホーミング式である可能性が高い。これは艦船が発する機械音やスクリュー音を捕らえて追尾し、命中するものだ。
別のニュース(情報)では、哨戒艇「天安」が攻撃を受けた際、北朝鮮の軍港から「潜水艇」が姿を消していたことが、アメリカの偵察衛星の写真から確認されている。
これらを繋ぎ合わせると、北朝鮮の潜水艇による奇襲攻撃の可能性が極めて高くなる。
しかし韓国軍が北朝鮮に報復攻撃を行うことは難しい。それはいつも言うように、北朝鮮軍の生物・化学兵器が、ソウルや在韓米軍に照準を合わせているからだ。
韓国軍が報復攻撃を実施すれば、弱体化している北朝鮮軍は非武装地帯の近くの地下に配備している生物・化学兵器の発射スイッチを押す可能性が極めて高い。
1987年11月29日に起きた大韓航空機爆破事件を思い出して欲しい。中東に出稼ぎに行っていた韓国の労働者を乗せたソウル行き大韓航空機858便が爆破され、インド洋上空で乗員・乗客115名が死亡したテロ事件である。
この時、実行犯として北朝鮮の工作員・金敬姫元死刑囚が逮捕され、韓国まで連行され、自供して裁判を受けている。それでも韓国は北朝鮮に軍事的な報復をしなかった。出来なかったのだ。
この時も、北朝鮮の生物・化学兵器が、ソウルや在韓米軍に向けられていたからできなかった。
しかし今回の哨戒艇「天安」が北朝鮮軍の魚雷攻撃と確定すれば、韓国は北朝鮮に対する非軍事的な報復を行う可能性はある。北朝鮮が恥ずかしくて公表できないような屈辱的な方法である。それが何であるか、今、公表することはないだろう。
今回の事件で重要な面は、北朝鮮で金正日が正常な感覚で判断していない可能性である。今回のような危険な事件は、金正日が正常なら決して起こしていないと思う。北朝鮮の体制崩壊を招くからである。
今回は軍部の独走というイメージが強い。北朝鮮で軍部が独走する時は、金正日が正常に判断できない時である。この様子から、もはや金正日が中国を訪問することは不可能になったのではないか。
洋上の艦船が魚雷の攻撃を受けると、命中した魚雷の爆発ガスは正面だけに向かって放出される成形炸薬(HEAT)である。
そのため、艦艇の外殻(船底)に穴を空け、さらに内部に入った高温・高圧の爆発ガスは艦船の内側の隔壁を破壊する。また、命中箇所が喫水線下のため海水が船内に入り、バランスを崩して沈没することになる。
だから1本の魚雷でも、空母のような大型艦船に致命的な破壊をもたらすことが可能になる。それが小型の哨戒艇であるなら、命中後、船室から逃げ出す間もない短時間で沈没しても不思議ではない。
哨戒艇「天安」は引き揚げ揚げられているので、その破壊状況から魚雷か機雷の区別は容易である。魚雷は機雷と違って成形炸薬だからである。破壊の形状が明らかに違う。
また考えられる魚雷は、命中箇所がスクリュー付近と聞いたから、音響ホーミング式である可能性が高い。これは艦船が発する機械音やスクリュー音を捕らえて追尾し、命中するものだ。
別のニュース(情報)では、哨戒艇「天安」が攻撃を受けた際、北朝鮮の軍港から「潜水艇」が姿を消していたことが、アメリカの偵察衛星の写真から確認されている。
これらを繋ぎ合わせると、北朝鮮の潜水艇による奇襲攻撃の可能性が極めて高くなる。
しかし韓国軍が北朝鮮に報復攻撃を行うことは難しい。それはいつも言うように、北朝鮮軍の生物・化学兵器が、ソウルや在韓米軍に照準を合わせているからだ。
韓国軍が報復攻撃を実施すれば、弱体化している北朝鮮軍は非武装地帯の近くの地下に配備している生物・化学兵器の発射スイッチを押す可能性が極めて高い。
1987年11月29日に起きた大韓航空機爆破事件を思い出して欲しい。中東に出稼ぎに行っていた韓国の労働者を乗せたソウル行き大韓航空機858便が爆破され、インド洋上空で乗員・乗客115名が死亡したテロ事件である。
この時、実行犯として北朝鮮の工作員・金敬姫元死刑囚が逮捕され、韓国まで連行され、自供して裁判を受けている。それでも韓国は北朝鮮に軍事的な報復をしなかった。出来なかったのだ。
この時も、北朝鮮の生物・化学兵器が、ソウルや在韓米軍に向けられていたからできなかった。
しかし今回の哨戒艇「天安」が北朝鮮軍の魚雷攻撃と確定すれば、韓国は北朝鮮に対する非軍事的な報復を行う可能性はある。北朝鮮が恥ずかしくて公表できないような屈辱的な方法である。それが何であるか、今、公表することはないだろう。
今回の事件で重要な面は、北朝鮮で金正日が正常な感覚で判断していない可能性である。今回のような危険な事件は、金正日が正常なら決して起こしていないと思う。北朝鮮の体制崩壊を招くからである。
今回は軍部の独走というイメージが強い。北朝鮮で軍部が独走する時は、金正日が正常に判断できない時である。この様子から、もはや金正日が中国を訪問することは不可能になったのではないか。