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石川のニュース 【4月29日03時19分更新】
深海魚、謎多い「大漁」 サケガシラ、リュウグウノツカイ 県内に次々漂着
加賀市の塩屋海岸では25日、サケガシラとみられる体長約1.2メートルの魚3匹が 波打ち際で死んでいた。サケガシラは、アカマンボウ目フリソデウオ科に属し、2.5メ ートル前後まで成長する。北海道太平洋岸から高知県沖、沖縄県沖、日本海沖の深海に生 息する。 散歩中に見つけ、写真を撮った同市山代温泉山背台の宮野雅須海さん(38)と麻子さ ん(35)夫婦によると、同じような魚4、5匹が浅瀬に漂っていた。 県漁協加賀支所は、「今年は加賀市沿岸の定置網に入る深海魚が増えているようだ」と し、「地震の前触れか」と想像をたくましくする漁師もいるという。同支所が推測するの が「漁師が捨てた」説。深海魚は競りに出せないため網に入っても海に戻す。「その魚が 浜に流れ着いた可能性はある」(同支所)。 1月以降、県内沿岸に漂着したリュウグウノツカイは、分かっているだけでも志賀町1 匹、羽咋市7匹、かほく市3匹、内灘町2匹、白山市3匹の計16匹。サケガシラは春先 から目立ち始め、加賀市以外に輪島市で1匹、志賀町で3匹、宝達志水町で1匹見つかっ た。 一方、のとじま臨海公園水族館(七尾市)の池口新一郎副館長兼展示・海洋動物科長( 52)は「知名度が低いだけで、実際には海に多くいるはずだ」と話し、急に増えたとの 見方には懐疑的だ。 今年、能登沖などはしけの日が多く、県水産総合センター(能登町)は、荒波にもまれ て流された可能性を指摘する。ただ、天候に関係なく漂着した例もあり、相次ぐ漂着の理 由としては説得力を欠く。水深10メートル以上の海水温は平年並みで、同センターの柴 田敏次長は「しけや海水温がどう影響しているのかよく分からない」と、深まる謎に腕組 みした。
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