上海万博を利用 中国、台湾統一工作を加速 40年ぶり台湾館出展も“付帯設備”
【上海=河崎真澄】中国が上海万博を利用した対台湾工作を加速させている。30日付の上海紙、東方早報によると、胡錦濤国家主席は万博開会式に招待した台湾の連戦、呉伯雄の両中国国民党名誉主席や宋楚瑜親民党主席との29日の会談で、「中華民族の復興」を訴え、中台統一への下地ともなる民族意識の共有に自信を示した。上海では1970年の大阪万博以来、40年ぶりに台湾の万博パビリオン出展も認められている。
胡主席は「台湾の万博参加は近年の両岸(中台)関係改善の重要な成果だ」と強調し、相互理解や経済協力拡大にも期待を表明した。中台間で締結交渉が進められている「経済協力枠組み協定(ECFA)」については「中小企業や農民の相互利益を考えたい」と述べた。台湾本土色の強い南部の農民や中小企業の取り込みが狙いとみられる。
上海万博で台湾館は、浦東会場Aゾーンで中国館に隣接して置かれている。道を挟んで隔てられているが、中国館を取り囲む香港館やマカオ館と事実上、同列の扱いだ。一般来場者には、台湾館があたかも中国館の“付帯設備”のようにみえる配置となっている。
台湾館は「台北世界貿易センター」の名義で出展。中華文化の伝統儀式「天灯上げ」がテーマで、ガラス張りの建物の中に球状の液晶スクリーンが輝く。
台湾は70年の大阪万博時には日本と外交関係があり、「中華民国」として国連にも加盟していた。
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