舞台に俳優陣が勢ぞろいし、60年の歴史に幕を下ろした4代目歌舞伎座=東京・東銀座(撮影・村中拓久)
建て替えの決まっている東京・歌舞伎座で30日、閉場式が行われ、約200人の歌舞伎俳優と満員の観衆2000人が手締めをし、51年1月に開場した現在の劇場に別れを告げた。新たな劇場は13年春に完成予定。
市川團十郎(63)、尾上菊五郎(67)らとともに舞踊「都風流」に出演した片岡仁左衛門(66)は夜の部を終えると、スーツに着替え、劇場ロビーを感慨深そうに見て回った。昼夜計4000人の観客も名残惜しそうに舞台を見つめた。チケットは即日完売。当日券を求め、徹夜組150人を含む300人が並んだ。劇場前は終日、記念撮影をする人であふれた。
手締めの音頭を取った坂田藤十郎(78)は「歌舞伎を最も愛し、長い間歌舞伎を守ってくれた歌舞伎座に感謝しながら、新しい歌舞伎座が世界全土に広がるような劇場になることを祈念して」と発声。歌舞伎の聖地へ送られた万雷の拍手は鳴りやまなかった。なお、この日は松本幸四郎(67)の次女で女優の松たか子(32)、サッカー元日本代表の中田英寿氏(33)、歌手の宇崎竜童(64)・阿木燿子(64)夫妻らも来場した。