県内の医療機関の医師確保策として県は、優遇制度つきの資金貸与を受ける医学生や、有給の研修ができる任期付き県職員を募っている。【山下貴史】
小児科、産科、麻酔科の医師を確保するため、大学生らに対して修学資金を貸与し、和歌山市外の県内医療機関で一定期間働くことを条件に返還を免除する。6月15日(当日消印有効)まで、計5人募集している。
対象は、大学生=県内高校を卒業し県外大学で医学を学ぶ課程に在学中か、1親等の親族が県内に住所がある▽大学院生=大学院で医学課程に在学▽研修医=臨床研修医か医師の専門研修を受けている。
貸与額は毎月15万円(大学院生、研修医のうち自宅通学者は10万円)。期間は修学期間内で最大8年(毎年更新)。貸与期間の1・5倍を和歌山市外の公的医療機関で勤務した時は返還を免除する。
7月までに面接を実施し、8月中に決定。貸与は4月分までさかのぼる。所定の様式は県医務課のホームページから入手できる。問い合わせ、申し込みは同課(073・441・2603)。
医師の確保が難しい地域の公立病院で働く「わかやまドクターバンク医師」は、若干名募集している。これまで2人が採用されており、県医務課は「特に紀南地域は医師不足であり、即戦力に来てほしい」と期待している。
原則5年(下限3年)の任期付き県職員として採用する。知事が指定する公立病院などで勤務する。採用期間の5分の1を、有給の研修、研究期間に充てることができる。
対象は2年以上臨床経験のある医師。選考方法は書類選考と面接で、和歌山市内で随時実施している。募集期限は11年2月10日(当日消印有効)。採用時期は10年度中か、11年4月1日。
県は、07年4月から国保古座川病院に、09年3月から那智勝浦町立温泉病院に、それぞれ1人の医師を派遣している。
問い合わせ、申し込みは同課(073・441・2612)。
毎日新聞 2010年5月1日 地方版