2010年3月12日 20時27分
厚生労働省と文部科学省は12日、3月卒業予定の大学生の就職内定率(2月1日現在)が00年以降で最低の80.0%(09年同期比6.3ポイント減)だったと調査結果を発表した。高校生の内定率(1月31日現在)は81.1%(09年同期比6.4ポイント減)だった。推計では、就職希望の大学生の約8万1000人、高校生は3万421人が就職先が決まっていない。
両省は全国の大学など112校を抽出し、6250人に調査した。男子は80.1%(同6.4ポイント減)、女子は79.9%(同6.3ポイント減)だった。短大生は67.3%(同8.5ポイント減)、高等専門学校は97.3%(同1.7ポイント減)、専修学校は72.4%(同6.4ポイント減)。前回調査(昨年12月1日現在)で、唯一前年同期を上回った高専もマイナスに転じた。
高校は、ハローワークの紹介で就職を希望する生徒の状況をまとめた。内定率は男子84.7%(09年同期比6.1ポイント減)、女子76.5%(同6.8ポイント減)。いずれも下落幅は小さくなった。求人数は約18万9000人(同40.6%減)、有効求人倍率は1.17倍(同0.55ポイント減)で、昨年11月の前回調査に続き1倍を超えた。
厚労省若年者雇用対策室は「特に大学生は非常に厳しい状況が続いている。製造業などで景気回復の状況があるようだが、まだ採用に結びついていないのだろう」と分析する。
厚労省は就職が決まらず卒業を迎える学生に、1カ月間の体験雇用や、約6カ月間、無料で就職に必要な基礎訓練や職業体験、社会人のマナーなどを学ぶ訓練を始め、深刻な事態に対応している。【東海林智】